産業医が「労働衛生コンサルタント試験」で着実に合格へ近づくための勉強法まとめ

産業医をしておられるドクターの方々から、「労働衛生コンサルタントの試験対策」をどう行えばいいのかというお問い合わせをいただくことがあります。

そもそも産業医でありますと、「日医主催 産業医研修会一覧」に掲載される日本医師会「産業医学講習会」を受講すると「筆記試験免除、口述試験のみ」となります。

だからこそ、「筆記試験がなく、口述試験だけならそんなに勉強しなくてもなんとかなるんじゃね?」と思われる方も多いです。しかしながらこの試験、そんなに甘くありません。

現に、令和3年の労働衛生コンサルタント試験の合格率は29%とかなり低く、さらに口述試験のみの合格率も62%程度です。結構な確率で落ちる試験となっています。そこで今回の記事では、労働衛生コンサルタント試験で「着実に合格へ近づくための勉強法」について書いてみたいと思います。

なお、詳しい勉強方法・口述試験対策方法については、拙著
産業医のための労働衛生コンサルタント口述試験対策マニュアル: 一発合格するための秘訣

にも書いておりますので、お読みいただけますと幸いです。

購入すべきテキスト

・労働衛生のしおり(中央労働災害防止協会 編)

・労働安全コンサルタント 労働衛生コンサルタント試験問題集(日本労働安全衛生コンサルタント会 編)

まずはこれだけ!労働衛生コンサルタント口述試験対策問題集: 必須の41問

過去問の記述問題を「解かずに読む」

「労働衛生コンサルタント試験問題集」の記述問題の問題2年分の問題・解説を、「労働衛生のしおり」を辞書・参考書代わりにして読み通します。

そこで、調べたキーワードについてはノートにまとめておきましょう。口述試験を意識して、キーワードを簡単に説明できるようにするのがポイントです。

この作業で、キーワードの拾い上げができ、質問に「どう答えるか」というアプローチの方法が理解できると思います。

想定質問への回答を自分なりにまとめていく

まずはこれだけ!労働衛生コンサルタント口述試験対策問題集: 必須の41問』に、頻出問題を掲載しておりますが、どれが質問されても答えることができるように、回答例を参考にし、「自分なりの回答」を作ってまとめていきましょう。ここでも、「労働衛生のしおり」が参考書代わりになります。

なお、産業医歴がある程度長く、産業衛生についての知識・経験があるということでしたら、いきなり想定質問の回答作りから入っても問題ないと思います。

回答作りを行う上では、

・コピペはNG
・労働衛生のしおりを中心にまとめる
・「3管理」「流れ」を意識

するようにしましょう。

「労働衛生コンサルタント 口述試験」の想定問題に対する答えを作成する上で注意しておきたい3つのポイント
「労働衛生コンサルタント 口述試験」の主な勉強としては、想定問題に対する答えを作成し、覚えることであると言っても過言ではないでしょう。ですが、その答えを作成する上で、注意しておくべきポイントがあります。 そのポイントを押さえずに答えを作成し...

「想定質問への回答集」が自作できたら、何度も繰り返し復習

回答作りを行ったら、何度も、何度も、何度も繰り返し、暗唱できるようにしておきましょう。

おすすめは質問を読み上げてスマホなどで録音しておき、質問を聞いて答えるという作業を繰り返すことです。とにかく通勤時間、休み時間、就寝前など、スキマ時間を使って勉強時間を捻出するようにしましょう。

「労働衛生のしおり」を読み通す

基礎知識がない状態ですと、「労働衛生のしおり」を読み通すのはなかなか難しいですが、上記のステップまでを終えた方なら、読み通すことはできるようになっているはずです。

総ざらい・知識の総点検の意味もあり、「労働衛生のしおり」を読み込んでおくことは重要です。少なくとも2~3度は読むようにしておきましょう。

さて、ここまでの勉強で合格レベルに着実に近づいていると思います。なお、働きながら勉強を行っていくとなりますと、3ヶ月は欲しいところです。1月に試験日を迎えるとなりますと、やはり11月には勉強に取り掛かっておく必要があるかな、と思われます。

なお、今の12月に入った追い込み時期には、

労働衛生コンサルタント試験の口述試験の追い込み時期にやっておきたいこと
労働衛生コンサルタント試験の口述試験で当日が近づいてきた際に、私が実際にやっていたことがあります。 それは「想定質問に答えている自分の声を録音し、聞いてみる」ということです。 自分ではしっかり答えられていると思っていても、実は説明の手順を飛...

をご参考にしていただき、最終段階のチェックをしてみてはいかがでしょうか。

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