産業医になるなら「臨床もバイトで兼業する」べきであると考える3つの理由

私が後期研修をドロップアウトする形で常勤産業医に転職した際、求人紹介をしてくれたリクルートドクターズキャリア[PR]に、「非常勤外来のバイトも一緒にご紹介しましょうか」と提案されました。

ファーストフードで「ハンバーガーと一緒に、ポテトもいかがですか?」といった感じだな、と思ったものですが、結局そのバイトを10年以上続けることになりました。その時に紹介を受けていなかったら、もしかしたら「臨床はもう見切りをつける」なんて思って臨床のバイトはもうやめていたかもしれません。

現在、私としては「臨床もバイトで兼業する」べきであると考えています。その理由について今回は書いてみたいと思います。

手っ取り早い年収アップの方法

常勤で専属産業医となっている場合、基本的には他社の嘱託産業医の業務を請け負うことはできません。

産業医のアルバイト事情と注意すべき3つのポイント
産業医の場合、求人情報で多くあるのが「週4日勤務、1日研究日」というパターンでしょうか。その場合、研究日をバイトにあてる、という先生方が多いと思われます。また、週5勤務のところもありますが、その場合、土曜の半日をバイトにあてる、ということも...

ですので、「バイトでも産業医を」ということは難しいと思われますので、「年収アップを」と考える上では、やはり臨床バイトに頼るということになるわけです。

特に産業医で言いますと、一部を除いて一般的に臨床医の年収よりも低くなる傾向にあります。やはり残業も少ない、当直もない、様々な手当もないということで言いますと、この点は仕方ない部分ではあります。

そこでその年収面でのデメリットを補うには、やはり「臨床バイトを行う」ということが必要になってくるというわけです。

もしもの時のための保険

産業医は「1年ごとに契約が必要な嘱託契約」であるところが多いと思います。その点、「契約を打ち切られる」という可能性はゼロではありません。その他、勤務しているところの企業をなんらかの事情で辞めざるを得ないということもあったりします。

そこでやはり、臨床バイト先を確保しておきますと、主に経済的な面で保険となります。私も経験しましたが、退職した後に「次の転職先がなかなか決まらない」ということもあったりします。その時に、バイト先があるのとないのでは大きな違いです。

転職活動において、大敵は「焦り」であったりします。なかなか次が決まらず、焦って折れなくていいところまで妥協をしてしまったり、判断を誤ってしまうということもあったりします。その点、「バイト代である程度は食いつなげる」ということは大きな安心感に繋がります。

「臨床の勘」も大事なポイント

長らく臨床から離れてしまったりしますと、間違いなく勘が鈍ってしまいます。この臨床の勘が鈍ってしまうことによって、産業医の業務にも支障が出てくることもあると思います。

特に、臨床から離れてしまった結果、社員さんの主治医へのリスペクトの欠如であったり、無理解を生んでしまいますと、誤った発言をしてしまって、社員さんや会社に迷惑をかける可能性もあると思います。

たとえば、「患者さんの前で、前医の批判を行ってはいけない」というのは鉄則であると思いますが、社員さんの前で主治医の批判を行ってしまうなんてこともあるかもしれません。

このあたり、「治療する側の苦労」も知っておかないと、産業医としては正しい判断はできないのではないかと思っております。

以上です。
なお、産業医の転職でも、臨床のバイト探しでも、私は両方でリクルートドクターズキャリア[PR]にお世話になっております。もしこれから求人紹介を受けたいということでしたら、まずこの2社からお問い合わせいただくことをおすすめしたいと思います。

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