医師が過重労働よりも転職理由に挙げる「人間関係」という問題

医師の転職理由において、「激務で忙しすぎて」「体力的に厳しい」といった理由よりも、実はアンケート結果で「人間関係」を挙げる方が多いそうです。

上司によるパワハラやモラハラであったり、同僚の非協力的な対応であったり、あるいは「挨拶しているのに無視されてしまう」「自分の陰口を偶然聞いてしまった」なんてこともあったりするようで、こうしたことをきっかけに転職を、と考えるドクターもいるとのこと。

実際、産業医としてメンタル不調者の面談をすることも多いのですが、そこで特定の上司が「部下クラッシャー」と化してしまっていたり。あるいは同僚たちからイジメに近いことをされていたりと、人間関係にまつわる話をよく聞きます。

「人間関係」の難しさ

人間関係の問題点は、「一度こじれると修復・解決が難しい」という点にあると思います。いい大人だからこそ仲直りが難しいというのもあるでしょうし、表面上は取り繕うことはできても、「しこりは残っている」なんてこともあったりします。

メンタル不調者の対応のための産業医講習を受けたことがありますが、上司・部下の関係に悩んでメンタル不調に至った社員さんの対応で、「休ませて、それでまずは元部署への復職を検討」することが正しいかのように語っていた講師がいましたが、「本当にそれで正しいの?」と私は内心思っていました。

こじれた関係性のところに戻り、果たして部下である社員は再休職せずに勤務し続けられるのでしょうか?人事的な介入を求めることも必要であると思っております。

「話し合えば分かり合える」という場合もあるでしょうが、そのようなケースばかりではないと思います。現実的な話、「距離をとる」というのが最適解な人間関係も存在するのではないでしょうか。

「削られる」人間関係

メンタル不調者で面談に来られた社員さんで、「人間関係に悩み、ストレスを感じ続けて…まるで身を削られるかのようでした」と表現された方がおりましたが、まさに人間関係でのストレスは、そのような状態になると思います。

居心地の悪さを感じ、その中に身を置いて働き続けなければならない…その状態は延々と「削られている」かのような苦痛を感じるものだと思います。

加えて、上司・部下の関係での問題ですと、コミュニケーションをとるのをお互いに避けるようになり、ますます業務上の問題が生じて上司が叱責することに…なんてことにもなりかねません。

医師特有の問題も

医局から派遣されているようなケースであれば、定期的に異動もあるでしょうが、病院へ就職している場合は、なかなか異動もできず、固定した人間関係となりがちです。

つまりは、「逃げ場がない」人間関係になってしまうわけで、そこでトラブルが起きるとさらにストレスを生む耕造となってしまうことになります。この点は、医師特有の人間関係での問題とも言えると思われます。

そのような人間関係の中で「身を削られる」とどうなるか…と言いますと、やはりメンタル不調の問題が生じてくるのではないかと思われます。そうならないためには、やはり「もう耐えきれない!」と爆発する前に、転職の検討もするべきではないか、と思われます。

精神的に削られ続け、眠れない、なんだか食欲もない、仕事も手につかない…という状態で働き続けなければならないのはしんどいです。そのような時には、まずリクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアの転職エージェントにご相談してみて、話を聞いてもらった上でどのような求人があるのか聞いてみてはいかがでしょうか。

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