私は後期研修医をドロップアウト後、卒後5~6年の時期に産業医へと転職しています。産業医の経験もない私を雇ってくれた一社目は「週4日、一日8時間勤務」で年俸1000万円でした。
今、振り返って考えると、未経験であり、なおかつ医師経験年数も短く、さらには週4日勤務ということを考えると、結構な好条件だったのではないかと思います。実際、ニ社目の転職活動をしていた際、この額よりもダウンした年俸の会社もありました。
結局のところ、ニ社目では「週4日勤務、勤務時間は7時間程度」で1050万円で入職しています。こうした額で、おおよその検討もつくかと思いますが、改めて求人票ベースでどの程度になるのか改めて「産業医の年収」について書いてみたいと思います。
「卒後10年」でのモデルケース
医師の年収で言いますと、勤務日数・勤務時間に加えて、「経験年数」にもよって異なってきます。そこで、よくモデルケースとされる「卒後10年」を想定したいと思います。
求人票でも、「年収900~1300万円」といった額が提示されていますが、これですと「どのような人が900万円なのか?また1300万円ってどんな人?」と疑問に思われることでしょう。
そこでもう一歩踏み込んで、「卒後10年で1000~1200万円」といった書き方をする求人票があったり、参考にすることもできます。卒後8年ということでしたら、「年収1000万円ぐらいは提示できそうかな」などとあたりをつけることもできるわけです。
週4日勤務と週5勤務の違い
週4日勤務か否かというのは結構大きなポイントです。というのも、週4日勤務であれば平日に1日、バイトができますが、週5日勤務では平日全てが産業医としての勤務となってしまいます。
土日を使えばバイトできないこともないですが、その分、プライベートの時間が削られるというのは覚悟しなければならなくなります。当然、週5日勤務の方が年収は高くなりますが、「週4日で1000万円、週5日で1200万円」であった場合、「週1日、バイトならどれぐらい稼げるんだろう?」と差額を考えてしまうということもあるでしょう。
一方で、「もうバイトであろうが臨床はやりたくない」という方もおられるでしょうから、そのような場合は週5日勤務をとる、ということもできると思われます。この辺を勘案して、週4日勤務、週5日勤務での年収をそれぞれ考えておくことも重要なポイントです。
私としては、「臨床の勘を忘れない(少なくともバイトを続けられる)ようにできる」「産業医を突然クビになっても食いつなげるようにしておきたい」「産業医一本より稼げる」といった理由で、産業医と臨床バイトを行うことをオススメしています。
プラスαの要因
私が一社目、未経験にも関わらずやや好条件で雇ってもらえたのは、「都内からかなり離れていて通勤に不便、なかなか産業医が定着しづらい」という会社だったからのようです。
このように、立地に難があったりすると、好条件が狙える可能性もあると思います。その他の条件アップが狙える条件としては、
・保健師を雇う予定がなく、産業医一人体制
・常勤産業医を置くのが初めてで、一から体制を整えていく必要がある(産業医として、ある程度の経験が必要)
・担当する関連会社や支社が多い
といったことがあり、このような条件であれば、年収を高めに提示したとしても受け入れてもらえる可能性があると思われます。
以上です。
これから産業医に転職をしようという場合、求人票を見る上であったり、あるいは採用面接での希望年収の決定などでご参考にしていただければ幸いです。
なお、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアの転職エージェントによる求人紹介であれば、希望年収などについても相談が可能です。ドクターは無料ですので、求人紹介とともに、ご気軽にご相談いただいてはいかがでしょうか。