産業医の転職活動で「求人選び」をするためにチェックすべきポイントまとめ

産業医求人の条件や待遇は、企業ごとに結構異なります。その最たるものが「年収」で、勤務日数によっても異なりますが、やはり企業の大小や産業医への期待値によっても大きく異なります。

条件や待遇は、企業として産業医を「どう招き入れるか」にかかってくるわけで、やはりそこは企業ごとの特色が表れてくるところだと思います。

今回は、産業医の求人選びをする際に、チェックすべきポイントについて書いてみたいと思います。

年収・昇給の有無

まず基本的なところですが、年収はやはり真っ先に見たいところです。勤務医ですと、「これだと低いなぁ…」と感じられるかもしれませんが、その点は「週4勤務、土日完全フリーだし」と割り切ったり、あるいは「その分、バイトすればいいか」といったことを考えることも必要だと思います。

実際、産業医の年収1000~1100万円、バイトで400万円(月34万円)稼ぐことで、一般的な勤務医平均は稼げることになります。

また、昇給の有無も重要です。企業によっては、「ずっと固定給」のところもあり、「経験年数や、業績によって評価してもらいたい」という方にとっては、「昇給あり」の企業求人にする必要があると思われます。

ただ、まだ年齢的に若く、さらに「産業医未経験」ということですと、あまり高望みはできないということも言えます。その点、「まずは一社、産業医を経験して、その後に転職で希望条件に近づける」ということも検討すべきかと思われます。

雇用契約は嘱託?正社員?

常勤産業医で考えますと、基本的には1年ごとに契約更新を行う「嘱託契約」の企業が多いと思います。つまりは、「ちょっとウチには合わないなぁ」という産業医であった場合、契約更新を行わない、ということもありえます。

この点、勤務医とは大きく異なるかと思います。しっかりと企業の人事労務担当者らと良好な関係性を築き、企業の望む働きぶり・結果を残す必要があるというのは認識しておくべきかと思います。

一報で、比較的珍しいですが、中には「正社員(に準じた)雇用」を行っているところもあり、その場合は1年ごとの契約更新は考えずに済むわけです。ですが、こうした雇い入れ方法は珍しく、「ウチは正社員に準じて雇用しますよ」と特色として打ち出していることが多いです。

私は1社目で「来年からは契約更新しません」と宣告されてしまいました。「入職したらもう安泰」とはならないこともありますので、ご注意を。

勤務日数・時間・社会保険

週に何日勤務するか、そして勤務時間はどの程度かというのは、やはり企業によって異なります。週5日勤務が必須ですと、「平日にバイト(特に外来など)を入れにくい」ということもありますので、「週4日勤務がいい」という方が比較的多いように思います。

また、「週4勤務、相談可」というところもあり、交渉によって週5日勤務なのか、4日勤務になるかというところもあります。勤務時間についても、1日「8時間」のところから「6時間」といった企業もあります。

「週5日勤務よりは週4勤務、週4勤務より週3勤務がいいだろ」と思うかもしれませんが、実はそうとも言い切れません。当然のことながら、勤務日数の多い方が給料はいいわけですし、また週3勤務ですと「社会保険に加入できない」ということもあります。

社会保険の加入条件では、「週20時間勤務未満」というものがあり、週3勤務・1日6時間勤務だったりしますと、「社会保険は加入できません=社会保険には入れないので、国民保険に自前で入ってね」ということもありえるわけです。一般的に国民保険の方が割高ですので、この点もデメリットだったりします。

医師会に最初から加入している方は、医師会健保に加入するという手もあります。ですが、私は入っていない状態で退職してしまっていたので悔しい思いをしました(どこのクリニックや病院にも加入していない状態で医師会へ所属するのは困難です)。

交通費支給

交通費支給をしてくれる企業、してくれない企業もやはり分かれます。日々の「会社へ通勤する費用」もあるでしょうし、それに加えて産業医ですと「子会社・関連会社へ訪問する交通費」もあったりします。

こうした交通費、やはり少額であっても積み重なると「もらえないのは痛いなぁ…」ということもありえますので、その点もぜひチェックしておきましょう。

産業医・保健師の人数

産業医や保健師が、すでに何人在籍しているのかも求人票に記載しているところもあります。最初の内、とくに1社目では「複数、産業医や保健師が在籍していて、教育体制が整っていて相談しやすい」企業を選ぶことがオススメです。

なお、常勤産業医を置くということになりますと、基本的に1000人以上ということになります(安衛則の定める特定業務の企業ですと500人以上)。さらに、従業員数3001人以上の規模ですと、産業医は2人以上となります。

ちなみに、複数の産業医がいる方が企業側としても「産業医未経験であっても採用しやすい」という側面もあります。

ただ、産業医としての経験年数をある程度積んでいますと、「やっぱり産業医1人体制のこじんまりしている企業の方が気軽でいいなぁ」といったことも分かってきたりします。その時は、求人票を参考にして「産業医1人体制の企業を」と選ぶこともできます。

「求人票」に表れにくいポイント

実は統括産業医が「クセがある」方で、他の産業医が「ほぼ1年ごとにコロコロ変わる」という企業であったり、あるいは「産業医への期待値が非常に高い企業で、ある程度のスキルや経験年数がないと入職してから苦労する」といったこともあったりします。

また、担当する子会社・関連会社の企業数が多かったり、単純に産業医1人が担当する社員数が多い企業であったりしますと、それらはダイレクトに業務量に関わってきます。このあたりの「具体的な業務」についての情報も、はっきりと求人票には書かれていないこともあったりします。

この点は、やはりぜひ応募前に知っておきたいポイントですので、ぜひリクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアの転職エージェントにあらかじめ相談しておき、情報を教えてもらうようにしましょう。

また、転職活動は「時間・タイミング」との勝負という側面があります。好条件な求人ほどすぐに充足してしまうので、求人が上がってきた段階ですぐに教えてもらえるよう、転職エージェントと話をしておくことをオススメします。

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