試用期間が終わろうとしている社員へ、上司が叱責して話がこじれまくった話

中途入社してきた社員のAさん。このAさん、お世辞にも仕事ができるタイプではなく、なおかつ勤務態度もよろしくないという評価でした。

最初の内は上司も「まぁ、入社したばかりだからな」と目をつぶっていましたが、2ヶ月経っても改善しない様子に見かねて、たまらず注意をするようになりました。

それで「分かりました、申し訳ございませんでした」と殊勝な態度を示して謝罪すれば問題ないのですが、このAさん、「それは○○だから」などと理由をつけて、謝罪をするどころか居直る、言い訳をしてしまいました。

これにカチンときた上司は、言い訳・言い逃れができないようにきっちりと詰めて、証拠とともに叱責するようになりました。

今度は言い訳できないAさんでしたが、口では謝っていても納得はしておらず、不服そうな態度をしています。それがさらに上司をヒートアップさせてしまいました。

試用期間最後の1ヶ月

その後も上司は、Aさんを何度か叱責しましたが、それでも勤務態度が改まりません。そのため、上司(課長)は部長とともに面談を行いました。

その面談の場でも、かなり厳しめに注意が行われたそうです。その時点で、試用期間が残り1ヶ月となっていました。それでどうなったかと言いますと…Aさんはメンタル不調を理由に休職することとなってしまいました。

Aさんの人事評価

Aさんの評価からしますと、試用期間を経て本採用になるかどうかで言いますと、「本採用は見送り」となる公算が高かったようです。つまりは、そのまま「退職」となる可能性が高かったわけです。

ところが、メンタル不調を理由に休職してしまったため、「そのまま退職」としてしまうと、「メンタル不調になったから退職にされた」と言われかねない状況になってしまいました。

そのため、会社側は「試用期間を1ヶ月延長」せざるを得ないということになりました。

産業医としての関わり方

上記のような状況となり、ようやく産業医に相談、ということになりました。その段になり、上司サイドから「詐病であることを証明して欲しい」などと言われましたが、「病気かどうかを判断するのは主治医です。その主治医が患者のことを詐病であると認めると思いますか?」と説明してご理解いただきました。

結局のところは、Aさんの話を根気強く聞き(大半は上司たちへの怨嗟)、会社側とAさんのこじれた関係の間に仲立ちし、双方のパイプ役となって状況を見守ることとなりました(Aさんは会社との連絡を一度断っていました)。おそらく会社側は、事態が落ち着いたところで退職勧奨を行っていく模様です。

いやはや…試用期間満了で本採用見送りとするつもりならば、注意・叱責を繰り返さなければいいのに…と思った次第ですが、上司・部下の関係が一度こじれると、そうもいかないご様子です。

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