「産業医になろう」と思っていても悩んでしまう3つの理由

初期研修を修了して、「さぁ、産業医になろう」と思われる方はかなりの少数だと思います。大多数の方は、一度は臨床医となり、その後「産業医になる」ことを選ばれるのではないでしょうか。

「産業医になろうかな」と、まだ決意が半熟卵状態の段階ですと、これが悩みに悩むと思います。実際、私も結局、悩んだ末にジタバタと藻掻き、その半熟卵状態から実際に産業医になるまで半年近くもかかりました。

そこで今回の記事では、「どうして悩んでしまうのか」ということを中心に、悩んでしまう3つの主な原因について書いてみたいと思います。

産業医って、身近にいます?

まだまだヒヨッコの専攻医時代、とりあえず「産業医になってみよう」と思っても、まるっきりイメージがつかずに「産業医って…なによ?」という状態でした。

そもそも実際に産業医になるまで、私の身近に産業医がいたことなどありませんでしたし、「産業医ってこういう感じだよね」ということがまるで分からない状態でした。

つまりは、「臨床医をやめて産業医になる」ことで、このようになるというキャリアモデルのお手本となる存在がいないため、「なろう」と思っても、イメージがあまり沸かないというのが実情ではないでしょうか。

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まず第一の悩みとしては、そんな「お手本となる存在がいない」「臨床医をやめて産業医になって、実際、食っていけるのか?」といったことが分からず不安だということが挙げられるかと思います。

ただ、私の後期研修医の時は、SNSといえばミクシィ全盛、2ちゃんねるが情報交換の場…という時代でしたので、ツイッターやらフェイスブックがある現在では、より情報にアクセスしやすくはなっているのかもしれませんね。

この点、研修会などで実際に産業医の先生方の話を聞きますと、「あ、これならできそう」というイメージを持てるのではないでしょうか。実際、私もその内の一人です。

適性の問題についての悩み

どんな仕事でも、「合う/合わない」という適性の問題というのがついて回ります。「産業医になってみて、仕事が合わなかったらどうしよう…」という悩みがあるわけです。

実際、「やっぱり臨床医の方がいいや」ということが分かり、産業医から勤務医に転職するというドクターもいます。ただ、この点は「やってみなきゃ分からない」という問題であり、あまり悩みすぎてもしょうがないのではないかと思います。

さらに言えば、一度産業医になってみて、「やっぱり臨床医がいいや」と思って戻ることに、なんらキャリア上の傷にはならないのではないでしょうか。むしろ、その経験を臨床に戻って活かすこともできるのではないかと思います。

私は臨床医が向いていないと分かっておりますので、もう戻るところがありません。産業医の仕事が楽しくてよかったと思っております(笑)

経済的な不安

仕事をして生計を立てる以上、「いくら稼げるの?」というのはとても重要な問題だと思います。つまりは、「産業医になったとして、臨床医時代から比べて給料が激減するようだったら困る。生活が成り立たない」という悩みもあると思います。

実際のところ、臨床医の方で「産業医がいくら稼いでるか」ということを知っている方は少ないのではないでしょうか(そもそも臨床医同士でも、お互いにいくら稼いでるか分からないということもあるでしょうけども)。

そうした情報を表立って開示しているようなところも少ないと思います。私は以前、

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