「専攻医をドロップアウトして辞めた」後のキャリアとして「産業医になる」ことを選ぶ5つのメリット

新専門医制度が2018年より開始となり、「大学医局に在籍している方が有利」「資格取得の要件が難化・厳格化」しました。結果として、「ハイポな市中病院で後期研修をして、なんとなく専門医資格を取得する」ことが難しくなり、「はっきりと目的意識を持って、激務にも耐えられる医師」が専門医資格を取得する医師像となりつつあると思われます。

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では、「専門医資格の取得を目指さない」と決めた場合、その後のキャリアをどうするのか、といったことはあまり議論されていないように思います。その中の一つの選択肢として「産業医」がありますが、産業医を次なるキャリアとして選ぶことのメリットについて今回は書いてみたいと思います。

QOMLは良好

専攻医に求められているような、いわゆる滅私奉公的な働き方、プライベートは二の次となるような働き方は産業医として求められません。

勤務医が産業医に転職する「メリット」と「デメリット」とは
産業医をやっておりますと、勤務医の友人からは「残業もなく定時で帰れるんでしょ?」「当直やオンコールもないし、土日祝日も休める。最高じゃない」と、若干の皮肉まじりに言われることもあったりします。 たしかにそうしたメリットは享受できているという...

にも書いた通り、当直・オンコール・深夜呼び出しはありませんし、時間外の電話もほとんどありません。この点、私を含めて「専攻医として働くことができない」という理由でドロップアウトしたドクターの方々も十分、勤務することは可能だと思います。

また、臨床医とは異なる業務に不安を感じる方もおられるかもしれませんが、「基本的なことが一通りこなせる産業医」になるためには、半年とかからないと思います。

「専門医資格が不問」な世界

臨床医を続けていますと、どうしても「専門医/非専門医」で差別化が起きてきたり、あるいは引け目を感じてしまうといったこともあるかもしれません。

医師を続けていった後、「専門医の後輩からマウントをとられる」こともありえるのではないでしょうか…

その点、産業医は基本的には「専門医資格が不問」な世界です。多少、履歴書が寂しいことになったり、あるいは転職の時での書類選考や採用面接で比較されることはあるかもしれませんが、それで転職できなかったり、あるいは入職後に待遇で大きな差が出ることはないと思います。

年収も「勤務医並」

全世代の医師の「常勤での給与+バイト代」の平均年収は「1461万円」とされています。私が30歳で後期研修医をドロップアウト→産業医となった時、産業医の給与は「1日8時間勤務、週4日勤務で年収1千万円」、バイト代込でトータル年収1420万円ほどでした。

専攻医/後期研修医を辞めて「30代で常勤産業医」になったら年収はいくら?
私が専攻医を辞めて産業医になったのは、30歳になって間もなくです。初めて常勤産業医になった会社は、1日8時間勤務、週4日勤務で年収1千万円でした。これは「臨床医時代と据え置きの年収にして欲しい」と希望した交渉の結果でした。 これに、週1回の...

週4日勤務+非常勤外来バイト1日で、ほぼ勤務医並の年収は稼げると思います。それも、時間外勤務や当直などもなしですから、かなり割は良いのではないでしょうか。

現在は週3日産業医として勤務し、非常勤外来のバイトも継続しており、ほぼ同額です。以前の会社と比べて福利厚生などは若干落ちていますが、プライベートな時間も増えて満足しています。

時給換算したらかなり上がってるでしょうし、とにかく「時間外の電話・呼び出し、当直、オンコール」がなくなったのはかなりQOLを上げています。

常勤産業医はまだまだ希少種

認定産業医の資格取得者は多かったとしても、常勤産業医の経験のあるドクターは、まだまだ希少です。だからこそ、「経験がある」こと自体が大きな価値となりえます。

現に、産業医の転職において「経験者優遇」「経験者のみ応募可」の求人はまだまだありますので、転職の際にも大きな差となり、専門医資格はなくとも、「産業医として経験を積む」こと自体がキャリア形成となり得ると思います。

フリーランス医師に比べたら安定している

非常勤/スポットバイトなどを掛け持ちして生計を立てることも十分可能だとは思いますが、コロナ禍で一気に求人が減ったこともあって、やはり不安定であると感じたフリーランスドクターも多いのではないでしょうか。

その点、「1年ごとの更新制である嘱託契約」とはいえ、常勤産業医である方がまだまだ安定していると言えるのではないでしょうか。

以上です。
もちろん、産業医になることでのデメリットもありますが、私としてはそれを上回るメリットがあるからこそ、今も産業医を続けているのだと思います。

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