臨床医から産業医に転職する上で「覚悟しておいた方がいいリスク」とは

私は後期研修をドロップアウトし、産業医へと転職しています。その後は順風満帆…というわけにはいかず、そこからさらに2度の転職をしております。

この内容は、

勤務医が産業医に転職する「メリット」と「デメリット」とは
産業医をやっておりますと、勤務医の友人からは「残業もなく定時で帰れるんでしょ?」「当直やオンコールもないし、土日祝日も休める。最高じゃない」と、若干の皮肉まじりに言われることもあったりします。 たしかにそうしたメリットは享受できているという...

でも書きましたが、一社目の産業医は知識や経験不足、そして人事労務担当者とのコミュニケーションがおろそかになっていたということもあり、3年目の契約更新ができませんでした。

二社目もまた大きくくくれば「人間関係」ということになりますが、やはり上手く輪の中に溶け込めなかった、居心地の悪さを感じて4年目を迎えずに辞めています。ようやく三社目で自分に合った企業に出会うことができて、今まででは最長の勤務期間となっています。

悩んだり、辛い思いをしたこともありましたが、それでも臨床医を続けるよりはよかったかな、と自分としては思っています。

こうした経験を踏まえ、特にドロッポ気質と言いますか、私と同様に「勤務医を続けられなかったドクター」向けに、臨床医から産業医に転職する上で「覚悟しておいた方がいいリスク」について書いてみたいと思います。

「クビを切られる」リスク

基本的に産業医は「1年ごとに契約更新を行う嘱託契約」であり、常勤の臨床医よりもかなり不安定な立場となっています。

実際、

・産業医として社員からの評判があまりよろしくない、クレームが多い。

・一緒に働いている産業医、保健師、人事労務担当者からの評判がよろしくない。

・求めている仕事を十分にしてくれない。

なんてことがありますと、容赦なく「来年度は契約更新しません」と通告されることがあります。

ですので、自分自身の評判はどうか、一緒に働く人たちからどう見られているか…といったことは気にして、誰に対しても親切に、感じよく接する、気配りを忘れないことは重要だと思います。

会社の方針転換に振り回されることも

特に会社の上層部が変わったりするタイミングで、「方針転換」によって、今までの仕事を行う体制が変わる可能性というのはあります。

実際、私も今までの健診判定業務のノルマが方針転換で一気に増えたり、あるいはいきなり毎月訪問する支社・子会社が増えたり、逆に減ったりということもありました。

この点、あまり上層部が変わらないところだったらいいのですが、私の勤務する企業ではコロコロと数年単位で変わるので、「うわ、また変わるのか…」と思うこともあります。

また、今まで社員数1000人以上で常勤産業医を雇う必要があったところ、いきなり1000人を割って「常勤産業医が不要になる」なんてことも可能性としてはあります。そうなりますと、「今までお世話になりました」とお払い箱にされることも起こりうると思います。

この点、やはり会社の方針、状況によるところですので、産業医としてはいかんともし難い部分ではないでしょうか。

臨床医とは異なるため「仕事が合わない」可能性も

勤務医で、病棟・外来業務などをしていて、いきなり産業医になってオフィスなどで働き始めますと、やはり大きく戸惑いを感じる可能性があります。

また、しばらく産業医として働きだして、結局「やっぱり臨床医がいいな」と思われるかもしれません。この点、産業医を続けられるか否かは分かれるところだと思います。

「やってみたものの…やっぱり臨床医に戻ろう」と思われる方はいらっしゃいます。ただ、こればっかりはやってみないと分からないというところだと思います。

以上です。
産業医という仕事自体、あるいは企業によっても合う・合わないはあるかもしれませんが、それでもQOMLは抜群ですし、それなりにやりがいのある仕事だと思っています。

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