産業医として、「社員・会社のためだ」と思って会社に嫌われようとも提言・提案を行うのが「良い意味で嫌われる産業医」だとすると、社員や会社のためにすらなっていなくて、単に「悪い意味で」嫌われてしまう産業医も存在します。
大概、そうした産業医は契約更新時に「今までご苦労様でした。来期の更新はありません」と肩を叩かれるものです。
嘱託産業医は特にですが、常勤・専属の産業医ですら肩を叩かれることはあります(経験談です)。
そこで今回の記事は、会社から「悪い意味で嫌われてしまう」産業医の3つの特徴と題して書いてみたいと思います。
期日を守らない・レスポンスが悪い
産業医として、期日までに相談に対する回答を求められたり、仕事を完了(健診の判定業務など)するよう求められても、その期日を無視することが重なると、それはそれは社員さんの心象が悪くなります。
たまに「あ、忘れていた」ということも人間だからあるにせよ、それが重なったり、あるいは「申し訳ありません」の一言もないなんてことがありますと、「うわ、この先生仕事してくれないなぁ」というイメージになってしまうわけです。
また、メールで問い合わせがきていて、「返答が1週間以上後になって返ってきた」なんてこともやはり避けるべきです。レスポンスが悪いと、それだけで相手の仕事を遅らせることになるわけですので、「期日を守る、レスポンスは迅速に」を心がけるようにしましょう。
相談に対する塩対応
産業医として、社員さんからの相談を受けることはよくあったりしますが、中には「それ聞いてどうすんのよ」「その相談、最初から自分の中で結論出てるよね」というような内容のものも正直なところあったりします。
あるいは、やや忙しい時に要領を得ない相談をされてしまいますと、やはり人間ですからイラッとすることもあります。ただ、そんな時でも「ああ、こういう相談をしたいんだろうな」と相手の気持ちを慮って相談を受けたりすることは重要です。
実際、私も「それって産業医のやることですか?」「そこまで産業医が踏み込むべきですか?」といった、なんとも生意気なことを一社目でやってしまい、結果としてお役御免、ということがありました。
相談をするということは、相手は困ってしまっているのだと認識、塩対応はしないようにぜひ心がけましょう。
コミュニケーションがとれない
私も人見知りな方なので、それほどコミュニケーションは得意な方ではありませんが、それでも人事や現場と社員さんの橋渡しをしっかりと行おうと、情報共有をするよう心がけています。
リクルートドクターズキャリア[PR]やエムスリーキャリアなどの産業医の求人票を見ておりますと、やはり「社員とコミュニケーションをとれる方」「コミュニケーションを重視していただける方」といった企業側からの要望が書かれています。
ですので、「面談をしたら、誰とも共有せずにしっ放し」「この社員さんを今後、どのような方針でフォローアップするのか自分以外分からない」のようなことは避けるようにすべきであると思われます。
逆に言えば、ここらへんの情報共有やコミュニケーションを心がけるだけでも「良い産業医」に近づけるのではないでしょうか。