健診判定で「HDLコレステロール高値」はどう判定すべきか

健診判定で、HDLコレステロール(善玉コレステロール、HDL-C)の場合、受診勧奨をすべきかどうか、悩むことがあります。目安となる数値、基準がはっきりとしておらず、「この数字…たしかに高いけど、どうしようか」と思っていました。

そんな中、慶應義塾大学衛生学公衆衛生学教室の研究で、「高すぎるHDL-C値は、動脈硬化性心血管疾患死亡と優位に関連した」と報告しており、非常に参考になりました(J Clin Lipidol 2018:12:674-684)。

この結果によると、
・HDL-C 90mg/dl未満群では優位な上昇は認められなかった。
・HDL-C 90mg/dl以上群では、動脈硬化性心血管疾患死亡リスクは優位に上昇した。
とのことです。

よって、「HDL-C 90mg/dl以上」の超高値HDL-Cは動脈硬化性心血管疾患死亡リスクとなりうるので要注意ということはしっかりと認識しておくべきと考えられます。

なお、日本動脈硬化学会によると、高HDL-Cへの対処としては、

HDL-コレステロール値が高い患者さんへはどの様に対応すればよいでしょうか?

・高HDL-コレステロール血症の患者を診た場合は成因を検索し、CETP欠損症を疑う場合は狭心症の有無の聴取、負荷心電図、頸動脈超音波検査などを施行することが望ましい。

・薬物療法に関して一定の見解はありませんが、動脈硬化を合併する場合には他の危険因子の軽減に努めることが大切です。

とのことです。特に受診勧奨を行い、CETP欠損症の有無は調べておくことは価値はありそうですね。

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