日本医師会認定産業医(日医認定産業医)の資格には期限があり、5年の間に生涯研修20単位以上を取得して更新する必要があります。
しかしながら、コロナ禍の影響を受けてなかなか研修会・講習会が開催されなかった影響もあり、現在、非常に更新のための単位集めがなかなかしづらい状況にあります。
そこで「認定産業医の資格って、更新しなきゃいけないの?しないとどんなデメリットや困ったことがあるの?」と思われる方もおられるのではないでしょうか。そこで今回の記事では、その疑問について私なりに回答したいと思います。
認定産業医資格を更新しないと産業医として働けない?
紛らわしいところですが、「日医認定産業医≠産業医資格」であり、たとえ日医認定産業医の資格を失効したところで、産業医として働くことができないということではありません。
労働基準監督署に選任届を行う際、「医師免許の写し及び産業医の資格を証する書面を添付」として「日医認定産業医証」を提示することになりますが、たとえ期限切れであっても受理はしてもらえるということになるわけです。
企業の採用に関する影響
上記の通り、たとえ期限切れであろうとかまわない、というのはあくまでも労働基準監督署での選任届についてです。その手続きに関しては「問題ない」とされるとは思います。
一方で、企業の採用の際にも、「資格があるかどうか確認したいため、日医認定産業医証の提示をお願いします」と言われるわけです。
そこで「期限切れ」の日医認定産業医証を提示した場合、どのようなことになるでしょうか?それはもはや「心象・印象」といったレベルの話ですが、同じぐらいどちらにしようか迷っているAとBという候補者がいた場合、「期限切れ」日医認定産業医証のAさんと、「しっかり更新されている」日医認定産業医証のBさん、どちらを採用するでしょうか。
実際、その更新がなされているか否かで合否が変わったなんて話は聞きませんが、「採用に全く関わりがない」とは言い切れないのではないか、と私としては思っております。
履歴書への記載
認定産業医資格は、履歴書の「資格」欄に記載をすることができます。
「別に書かなくても…」と思われる方もおられるかもしれませんが、私のように専門医資格を取得していない身からすると、「資格」欄が空白になるのはとても寂しいものです(笑)
ただ、こちらの資格も失効してしまいますと書けなくなってしまいます。産業医になるとは限らずとも、転職活動をする上での履歴書に書くものが一つ減ってしまうということになるわけですね。この点もデメリットと言えばデメリットかもしれませんね。
以上です。
私の場合、期限のない労働衛生コンサルタント資格を取得しましたので、認定産業医の資格証ではなく、労働衛生コンサルタントの資格証を提示すればいいということになり、今後は認定産業医の資格を更新するつもりはありません。
しかしながら、「今後、転ばぬ先の杖として資格を持っておきたい」という方もおられるようでしたら、更新をしておいた方が無難でしょうね。
などをご参考に、更新のための研修会・講習会の予約をしていただければと思います。