産業医として「市場価値アップ」を実現するための3つの方法【産業医転職】

産業医が転職する際に、否が応でも向き合わなければならないのが、自分の「産業医としての市場価値」です。人柄、今までの実績なども当然、加味されて採用の可否が決められるわけですが、やはり「市場価値」というものは重要な位置を占めていると思われます。

今回は、「産業医としての市場価値」はどのようにしてアップすることができるのか、ということについて書いてみたいと思います。

有名企業、大企業への入職

産業医として、誰しもが知る有名企業、大企業へ一度入職していますと、やはり「ああ、あの企業にいた産業医ですか」と、採用担当者にとって目を引く経歴となります。

「それだけの企業が採用したのだから」と、産業医としての素地がある人なのではないか、と思ってもらえるのではないでしょうか。結果、少なくとも書類選考には通りやすくなると考えられます。

ですので、今後の転職を鑑みて、一度は有名企業、大企業に入職しておくことは今後の産業医人生にとってプラスに働きやすいのではないか、と思われます。

実際、そうした企業は産業保健分野においてもしっかりとルール、マニュアル決めがなされているところが多く、さらには複数の産業医がいることが多いため、勉強になるところは大きいと思います。その点においても、有名企業、大企業への入職はおすすめできます。

ただ、もちろん合う・合わないはありますので、もし合わなくて「すぐ退職」するようだと、経歴上、マイナスに働くこともありますのでご注意ください。

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などの転職支援会社ですと、そのような大企業、有名企業の求人案件も入ってきますので、もしご希望ならば相談されてはいかがでしょうか。

産業衛生専門医資格、労働衛生コンサルタント資格の取得

やはり資格は取得することで経歴上、大きくプラスに働くと思われます。ただ、産業衛生専門医の資格取得要件は、

1) 医師免許証を取得後、5年以上を経過していること
2) 専攻医名簿に登録されていること
3) 指導医の所属する研修施設等において、指導医の指導の下で研修施設における9単位以上の産業医研修を修了している。
4) 指導医が専門医資格認定試験を受けるにふさわしい能力があることを確認していること
5) 産業保健に関する研究の実績があり、その成果が以下のいずれかの方法で学会の学術集会、機関誌等(以下が該当)において発表されていること
・日本産業衛生学会(総会)又は産業医・産業看護全国協議会で第1発表者として1演題、若しくは地方会において第1発表者として2演題以上の実績があること
・日本産業衛生学会誌又はJournal of Occupational Healthで第一著者として1論文以上の実績があること
・日本産業衛生学会ホームページに良好実践事例(GPS)を第一著者として1例以上発表していること
6) 社会医学系専門医を取得していること、あるいは社会医学系基本プログラムを修了し基本領域専門医を取得していること
産業衛生専門医資格の認定 – 日本産業衛生学会 専門医制度委員会

であり、受験資格はかなりハードルが高いことがおわかりいただけるかと思います。

そうなりますと、現実的には労働衛生コンサルタント資格の取得がおすすめだと思います。ただ、転職エージェントに言わせると「正直、書類選考を通りやすくなるぐらいの効力」だということですので、それほどまでには強い効力は期待できません。

ただ、「合格率3割程度の試験」ということを採用担当者が知っていたりすると、結構プラスに働くこともあります。実際、私が現在入職した会社では、この資格が結構有利に働いてくれたようです。

危険有害業務の衛生管理実績

危険物質や有害物質への衛生管理などは、やはり経験者の産業医でないとなかなか頼めない、と思われます。その点、危険物質や有害物質への衛生管理をしっかりと経験してきた産業医の先生方は、それだけでスペシャリティがあり、市場価値は一般の産業医よりも高いのではないかと思われます。

実際、私も危険物質や有害物質を取り扱う企業の産業医に応募したことがありましたが、採用時面接で次々にそうした物質の取り扱いについての質問を浴びせられて、なかなか回答に苦慮したということがありました。

こうした企業は、やはりそれ相応の経験や知識が必要なのだと思い知らされ、以降、応募することはありませんでしたが、市場価値の面で言うと、こうした企業に入職することも「あり」だと思います。

以上です。
産業医としての転職をお考えで、「市場価値アップを」とお思いでしたら、上記のことを少し心に留めていただけますと幸いです。

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