後期研修医(専攻医)の時に私が耐えられなかった「勤務医の5つの高ストレスポイント」

産業医として社員さんの面談をしていますと、おおよそ「ああ、この課の人たちは、こういうストレスを抱えるポイントがあるな」ということが見えてきます。

会計の部門の人たちは、「毎月の締め日近辺に業務量が一気に増えて大変そうだな」といったことや、営業の部門の人たちは「ノルマをこなすことに必死で、なおかつ土日関係なく働かざるをえなくて大変だな」といったことでしょうか。

その点、勤務医の頃を振り返ってみると、私自身としては、以下のような「高ストレスポイントがあったな」と思っています。もし専攻医で研修を続けていて、「臨床医やめようかな…」と悩んでいるようでしたら、そうした高ストレスポイントが耐えられるかどうかチェックしてみてはいかがでしょうか。

「つながらない権利」が主張しにくい

産業医ですと、時間外の問い合わせもほとんどなく、なおかつ土日祝日も呼び出されるなんてことはありません。そのため、完全にオン/オフが切り分けられた生活をしています。

気兼ねなく休日に遠出もできますし、晩酌も好きにできますし、夜も何も心配せずに眠りにつけます。こうした点は勤務医だった頃は享受できなかったな、と思っています。

一方、私が後期研修をしていた頃は、時間外であろうが問い合わせの電話はかかってくることもあったり、患者さんの状態によっては深夜に電話がかかってくることもありました。また、土日や祝日だろうが関係なく呼び出される可能性はあり、「金曜日に重症の入院患者さんを任される」ことの大変さは非常によく覚えています。

勤務医を続ける以上、おそらくこうしたオン/オフが切り分けにくい状態は続くと思います。私としては、時間外・休日を問わず「いつ連絡がくるか」という状態に非常にストレスを感じていました。

昨今は、「つながらない権利」などと言って、時間外に問い合わせ・呼び出しがないことを一種の権利として考える動きもあるようですが、なかなか医師はその点、まだまだ認められるのは難しいかもしれませんね。

産業医になって痛感する「勤務時間外につながらない権利」の尊さ
ドイツ在住のフリーライター・雨宮紫苑さんの記事ですが、「欧米の「つながらない権利」が徹底していてすごかった」の内容で、ドイツのホームドクターに「血液検査結果を送って」と依頼したところ、「現在休暇中なので総合窓口にメールしてください。受信した...

当直がとにかく苦手

当直が苦ではないタイプとしては、気にせず眠れるタイプか、あるいは夜型の人なのか、「1日寝なくてもどうってことない」体力の持ち主かということで分かれてくるように思います。

ですがあいにく、私はどのタイプでもなく、「いつPHSが鳴るかわからない」という緊張で眠れないですし、なおかつ一度生活リズムが乱されると、戻すのに時間がかかるタイプでした。

ですので、当直はとにかく苦手で、非常にストレスを感じていたように思います。

開業医を目指していたのは、「当直がないから」という理由が非常に大きかったと思います。それぐらい当直は苦手です。

時間外に延々と続くカンファレンス

カンファレンスは教育的な側面もあるのでしょうが、私の勤務していた科では、あまり要領がよくなかったり、事前の根回しなどが上手くないドクターが滅多打ちにされるだけの場になってしまっていました。

ギスギスした雰囲気で、なおかつ時間外に延々と続くカンファレンス(それぞれテーマごとに分かれていました。他科も参加するさらに長いカンファレンスもあり)が週に3回もあって、辟易としていました。

無駄な会議の典型例のような特徴がいくつもあり、「早く帰りたい…」と思い続けていました。

退職する間際には、スマホでこっそり転職情報を調べまくっていました(笑)

患者さんの押し付け合い

ご高齢の患者さんで、様々な疾患をお持ちという方が入院する場合、そこで他科と「どちらが引き受けるか」といった押し付け合いのような状態になるのも、ストレスを感じていました。

引き受けたら引き受けたで、病棟の看護師さんや上司からは「なんで引き受けたんだ」と怒られることもあり、とてもストレスを感じていたように思います。

元々は泌尿器科の末期癌患者さんで、かかりつけだからという理由で当直の時に診療しましたが、コンサルトをかけても引き取るどころか「もうウチでやることないから。あとはよろしく」と言われた時には唖然としました。

体育会系なノリ

学生時代に部活動などで揉まれてきた人は上手く溶け込むことができるのでしょうが、あいにく私は無縁に過ごしてきてしまったため、この体育会系なノリは非常に苦手でした。

初期研修医の時から「どうして上手く立ち回れないんだろう…」と悩んだりもしましたし、「慣れれば上手くなるのかな」と思っていましたが、今でも体育会系なノリは苦手ですし、「上司にいかに可愛がられるか、そしてお酒の付き合いが物を言う世界」では生きてはいけないと思います。

コロナ禍は早く収束して欲しいと願う一方、「飲み会がなくなってよかった」と思っている人も意外と多いと聞きますね(笑)結構、いやいや付き合ってたんですかね、皆さん。

以上です。
こうした5つの点を苦手とし、逃げるように臨床医からは退いて産業医になったわけですが、私にとって「産業医になるという選択」は、メリットがデメリットを上回ったように思います。

産業医になることのメリットとデメリット、産業医の立場からぶっちゃけます
私が産業医として働きだして、10年近くになってきています。そもそも臨床医から産業医になろうと思ったのは、 に詳しく書いていますが、体調不良と医長との関係悪化で退職したことがきっかけであり、正直なところ「臨床医をもう続けたくない...

もし同様に「臨床医、勤務医は向いてないんじゃないだろうか…」とお悩みということでしたら、産業医という選択肢もあるんだよ、というのだけはお伝えしたいと思います。産業医としての職をお探しということでしたら、リクルートドクターズキャリアや、エムスリーキャリアの転職エージェントに依頼すれば求人を紹介してくれますので、まずは相談してみてはいかがでしょうか。

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