産業医にならず「勤務医のまま認定産業医の資格を持つ」メリットとデメリット

認定産業医になるための研修会・講習会の人気ぶりを見ますと、やはりその資格自体、欲しいと思われているドクターは多いのではないかと思われます。

単位を集め、申請するだけで資格が得られるというお得感も相まって、「転ばぬ先の杖」的にとっておこうかと思われる方も多いのではないでしょうか。

実際、日本医師会の調査では、産業医活動をしていないで認定産業医の資格を持っている医師は約40%ほどだと言われています。常勤産業医で限定すれば、その数はかなり少ないでしょう。

では、産業医にならず、勤務医としてその認定産業医の資格を持っている場合、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?今回の記事では、その点について書いてみたいと思います。

認定産業医資格を持つ「メリット」

認定産業医の資格があれば、転職の際に「幅が広がる」のはたしかだと思います。簡単にいえば、応募できる求人が増えるということです。

具体的には、病院勤務で産業医を兼任する医師を探しているような求人、あるいはクリニックで外来診療を行いつつ、クリニックが契約する企業の嘱託産業医として活動するような求人もあったりします。

また転職の際、履歴書に「認定産業医」を記載することができるようになります。この点、専門医資格すら持たない私にとってはありがたかったりします(労働衛生コンサルタント資格を取得したので、恐らく今後は更新はしないと思いますが)。

当然ながら、バイトで嘱託産業医をやることもできます。そもそも求人自体がレアというのが難点ではありますが、短時間でそれなりの報酬、慣れれば業務自体もさほど難しくないということもあり、やはり人気バイトの一つです。

認定産業医資格を持つ「デメリット」

認定産業医の資格は有期限であり、20単位(産業医学生涯研修20単位)を新たに取得し、申請しないと「5年」で失効してしまいます。もちろん、それで「もう産業医として働けない」というわけではありませんが、「認定産業医ではなくなってしまう」というわけです。

そのため、多くのドクターが日本医師会の「産業医学講習会」などに新たに参加し、更新を行います(実地研修は新たに別の講習会へ申し込む必要があります)。費用は18,000円、3日間開催となっており、時間も費用もかかります。また、単位を集めた後に医師会に対して申請を行う必要があり、「審査費用1万円」がかかります。

認定産業医であるためには、こうした更新の労力、費用がかかるため、こうした点はデメリットになるかな、と思われます。

以上です。
こうした手間暇・お金を使ってせっかく更新するのならば、やはり資格を活かして嘱託産業医のバイトをしたりしないと損だな、と私としては思います(笑)嘱託産業医ですと、基本、月1での勤務ということになる(安全衛生委員会・巡視・社員との面談などが主な業務)ので、さほど本業への支障も出ないと思われます。

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