「メンタルヘルスの問題」が会社で対処しづらい3つの理由【産業医マニュアル】

産業医のための入門書『産業医はじめの一歩』の中で、「メンタルヘルスの問題」が会社で対処しづらい3つの理由について記載されていました。

周りの人が状況を理解しにくい

メンタル疾患は「目に見えて分かる病気」というわけでもなく、ある程度は本人が我慢して耐えていても、なかなか分かりづらいものです。

ある日突然、「たびたび会社に遅刻・欠勤するようになった」「どうもパフォーマンスが落ちている」「部下や同僚に対する当たりが強く、イライラしているようだ」…といったことで顕在化してくることもあります。

「急に休み始めて、周りが対応に追われる」というのでは大変ですので、できればその前に予兆を見逃さないようにしたいところです。

原因がいくつも重なり、複雑化する

よくあることですが、メンタルヘルス疾患の発症間際になってくるとパフォーマンスが低下し、仕事が溜まっていきます。その結果、判断が鈍っているところでますます「どこから手をつけていいのやら…」という状態になります。

上司からは叱責されることもあり、上司・部下の関係性も悪化。叱責されたくないため、ミスを隠すようになり、露見したところではその問題がさらに大きなことになっている…なんてこともあります。

大本はやはりメンタルヘルスの問題ということですから、早期発見・早期治療、もしくはその前段階で重すぎる業務負荷を軽減するといった対処が必要になると思われます。

状態が反復・長期化

メンタルヘルス疾患の場合、「休職→復職」して完治、「はいもうおしまい」というわけには行きません。病状には波があり、そのことを織り込んだ上で本人も周りも復職後の経過を見ていかなければならないわけです。

ですので、特に復帰直後は、病状悪化の再燃・再発が起こらないかどうかしっかりと見ていく必要があると思われます。そうしたフォローアップを怠りますと、反復・長期化する可能性があるというわけです。

以上です。
ですので、メンタルヘルス疾患の場合、こうした3つのポイントに注意するべきかな、と思われます。

また、産業医としては、メンタルヘルス疾患であるため、本人のプライバシーに十分配慮することも必要ですね。その上で、会社側と相談しつつ就業制限の必要性などを検討していく必要があるかな、と思われます。

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