職場巡視とは、作業環境を実際に見て回り、安全衛生上の問題点を発見・改善していくことです。産業医となった場合、事業場を見て回り、衛生管理者などにその内容をフィードバックし、改善を求める、あるいは改善案を提案するといったことが必要になるわけです。
こちらは法律によって定められており、産業医の職場巡視については、労働安全衛生規則 第十五条に「産業医は、少なくとも毎月一回(産業医が、事業者から、毎月一回以上、次に掲げる情報の提供を受けている場合であつて、事業者の同意を得ているときは、少なくとも二月に一回)作業場等を巡視し、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない」とあります。
簡単に要約すれば、
・1ヶ月に1回、職場巡視が必要(必要な要件をクリアしていれば2ヶ月に1回で可)
・職場巡視を行い、安全衛生上の問題点があって、労働者の健康・安全に有害と考えられた場合は、直ちに必要な措置を講じる必要がある。
というわけですね。
ですが、産業医になりたてですと、「職場をとりあえず一周してるけど、一体何を指摘すればいいの?」と思われると思います。
すでにチェックリストが存在していればそれを利用すればいいですし、ない場合には、一緒に巡視をする衛生管理者などとチェックリストを作成し、「最低限、これだけはチェックしましょう」という項目をすり合わせることがオススメです。
チェックリストの具体的な資料(たたき台)としては、
・産業医による職場巡視チェックリスト | 茨城産業保健総合支援センター
といったものがあり、参考にするとよろしいでしょう。個人的には、チェックリストの大枠を作り、巡視などで疑問に思った点などを衛生管理者に質問・確認し、必要があればチェックリストに反映せていくのがいいのかな、と思います。
また、慣れていない内は、あまり肩肘張らず、衛生管理者と巡視を行って「疑問に思ったり、気づいたりすることがあったら確認する」ところから始めてみるのがよろしいのではないでしょうか。