勤務医から産業医になる上で、経費や勤務についての社内規定をしっかり守ることは重要だという話

勤務医から産業医になった方で、「病院ではうるさいことを言われなかったのに…」と愚痴っていた方がおられました。「前の病院では、交通費を実際より高めに申請していても文句言われなかったのに、企業では訂正を求められた」とのことです。

「え?それってあなたが悪いんじゃないの?当然のことでしょ」とついつい思ってしまいますが、どうやら「雨の日はタクシーを使うから」などといった理由で、交通費を水増し請求していたようです。

こうした経費や勤務についての社内規定を守ることは、実は産業医になる上でとても大事だったりします。その理由について、今回の記事では書いてみたいと思います。

「特別扱いを求める」はNG

産業医で嫌われるのは、「医師だから」と特別待遇を求めることです。病院の中ではある程度認められたかもしれませんが(最近ではそんなこともなくなりつつあるようですけども)、「医師だからこれぐらい大目に見てもいいだろ?」というのは、企業では通用しません。

社内規定、雇用契約を逸脱するようなことをしていれば、注意される、場合によってはペナルティを課される、最悪解雇されると思っておいた方がいいと思います。認識としては「他の社員さんと同じ立ち位置」であり、特別扱いを受けて当然などという態度は厳に謹むべきであると思います。

昨今の産業医求人では、「人事労務担当の社員、保健師と協調して働いていただける方、コミュニケーションを重視していただける方」という文言が記載されていることが珍しくありません。これは平たくいえば、「医者だからって偉そうにしないで、しっかりと他の社員や保健師と仲良くやってね」という意味だと思います。

決して安くはない給料をもらっています

産業医の年収としては、1千万円前後、勤務日数や年齢・経験年数によっては1200~1400万円程度になるのかな、と思われます。実際、この年収をもらっているのは大企業の部長クラス、部長クラスでももらっておられない企業も多いと思われます。

そのようなことを考えると、「決して安くはない給料を払っている」と企業側は考えているでしょうし、年収を知っている人事側の人たちからすると、「真面目にしっかり働いてよ」と思うのも当然のことではないでしょうか。

「信用」は失うのは一瞬、取り戻すのは大変です

上記のような例、つまりは「交通費をちょろまかす」ような行為ですが、こうしたことであっても、それによって「信用」は簡単に揺らいでしまいます。

信用は失うのは一瞬ですが、それを取り戻すにはとても大変で、時間がかかります。「そんなつまらないことで」と思うかもしれませんが、そんなつまらないことで信用・信頼というのは失われてしまうものです。しっかりと自分を律して、「真面目に勤務する」ことを心がける必要があるわけです。

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