産業医面談の「医療的な相談以外」の対処法【産業医マニュアル】

産業医面談の中で、「それって医療的な相談じゃないよね」という相談を受けることが結構あります。たとえば、「借金で首が回らなくて…」「現在、離婚調停中でして…」「転職しようと思っているんですけど…」などなどです。

ただ、こうしたプライベートなことがストレス要因となっていることはたしかで、問題を解決して欲しいところではありますが、かといって産業医が「その借金問題は…」などと口出しするのも憚られます。

実際、これらの例は産業医面談の中で相談者によって語られたものですが、その時の私も「どうすればいい…」「この相談にどうアドバイスすればいい…」と身構えてしまったのを覚えています。

当時はまだまだ産業医としても駆け出しであり、焦ってしまったのですが、現在ではその相談にどう対処するかと言いますと…

1) 問題の要点を整理しながら相談の内容を傾聴

2) 問題の解決方法については、相談者本人がすでに出している可能性が高く、その本音の部分を聞き出す。

3) 一人で抱え込ないように、相談できる相手や専門家に相談するよう促す。

4) プライベートなストレス要因が原因で症状が増悪するようであれば、また面談に来るように指示。

といったことを行っています。単純に言ってしまえば、私見や自分なりの答えなどは一切に提示せず、「問題の要点を整理」「解決方法については、相談者本人の中から引き出す」などといったことを行い、なおかつ「一人で抱え込まないで」とアドバイスするわけです。

実際のところ相談者も「誰かに話を聴いてもらいたい」といったことが多く、その役割を産業医として担ってあげるというスタンスで話を聴いています。

もし産業医面談の「医療的な相談以外」でお困りでしたら、こうした対処をされてみてはいかがでしょうか。

タイトルとURLをコピーしました