ストレスチェック後の高ストレス者対象の面談で、よく「上司にパワハラを受けて困っている」といったことを相談されます。社員側の立場で考えると、「ホットラインなどのコンプライアンス窓口に相談する勇気はないけれど、どこかで話をしたい」といった意味合いでお話いただいているように思われます。
もちろん、「産業医が介入して問題を即解決できる」とは思っていないはずです。ですが、どこにも相談できない苦しみ、辛さを産業医との面談で吐き出している、ということなのでしょう。
さて、そのようなケースの場合、産業医が次にどのようなアクションをしていくかということですが、やはり人事など会社側に訴えの内容を伝え、介入していただくよう働きかけていくということでしょう。
当然、社員は相談している内容などについて、「パワハラの加害者である上司には知られたくない」と思っているはずです。そこで産業医としては、「上司には知られないようにしていただいた上で、人事に調査・介入をお願いしてみませんか?」といった提案を行っていくことが多いと思われます。
今回の記事の表題である「社員が産業医にパワハラ相談をすべきか?」という問題ですが、これに関してはしていただいても全く問題はないと思われます。それをきっかけに、問題解決の糸口になることもあるはずです。
「どこに相談したらいいか…」と悩んでいらっしゃるようでしたら、産業医を使っていただければと思われます。その後、産業医としては人事労務と連携し、問題解決にあたることになります。また、産業医には守秘義務があります。「この点は口外しないで欲しい」と言っていただければ、その秘密は基本守る必要がありますので、その点もご安心いただければと思われます。
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