ここでは、ドロッポ医=「常勤勤務医からドロップアウトして、非常勤・スポットバイトなどで食いつないでいく医師のこと」と定義し(「ドロッポ医師」が誕生するまでの3ステップ-きっとあなたはまだ踏み止まれる)、フリーター医師とはあえて区別しておきますが、このドロッポ医になることはやはりハイリスクなことであると思われます。
昨今の新型コロナウイルス流行拡大で、そのリスクが顕在化しています。自ら望んで「ドロッポ医になる」という方は少ないかと思われますが、ぜひやめておいた方がいい理由について、今回は書いてみたいと思います。
「仕事がなくなる」という不安定さ
一昔前ですと、病院の経営もまだまだ安泰で、非常勤・スポット求人も潤沢にありました。ですが、経営面で厳しくなってきますと、そうした求人も減り、なおかつその報酬も減額しつつある傾向にあります。
「仕事がなくなる」という不安定さというリスクに常にさらされていることになります。また、このコロナ禍で言いますと、「外から医師を入れると、感染リスクがある」ということで、特にその煽りをスポット求人が受けました。結果として、スポット求人で多く稼いでいたドクターは大打撃を受ける結果となったようです。
こうした危機はそうそうないとしても、コロナ禍のようなリスクを想定して、今後さらにバイト求人数が減少する可能性も考えられます。
病気になったら収入が途絶える可能性
常勤医とは異なり、病気になったら補償もなく収入が途絶えるリスクもあります。この点、やはりドロッポ医となることの大きなリスクとなると思われます。
特に今回、「新型コロナウイルスに感染したら…」と考えると、1ヶ月程度は働くことができないということもあり得るわけです。すぐさまそれで困窮するということはないと思われますが、「収入0」となると、それなりに打撃ですね。
また、新型コロナウイルスといった感染症だけでなく、癌、慢性疾患、脳卒中に伴う障害…などなど、勤務継続の支障となる疾患もあるわけで、安定的に勤務できるかどうかが重視されるバイトですと、クビ斬りに遭ってしまうことも考える必要がありますね。
モチベーションが続かない可能性
金銭的な理由だけで「バイトを続ける」ということは、結構メンタル的に大変です。スポットバイトで「その日限りのお付き合い」である患者さんの診療に当たり続けるというのは、勤務を続ける上でモチベーションを保つのに苦労しそうです。
また、寝当直バイトを続けるタイプのドロッポ医もいるとのことですが、実質的な診療を行わない、時間潰しだけを繰り返すことも、難しそうですね。
こうした点も、やはりドロッポ医としてバイト生活を続けるよりは、無理のない範囲内で勤務できる常勤先への入職を考えることをオススメしたいと思います。
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