産業医の意見書の効力ってどこまで?社員や企業はどこまで従うべきか

産業医が社員と面談を実施し、就業制限や休業をすべきと判断した場合、「産業医意見書」を書くことがあります。その効力はどこまでなのかと考える上で、そもそも産業医の権限はどこまでなのか、ということを考える必要があります。

それについては、労働安全衛生法第13条に、以下のようなことが書かれています。

労働安全衛生法 第13条(産業医等)
3 産業医は、労働者の健康を確保するため必要があると認めるときは、事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができる。
4 事業者は、前項の勧告を受けたときは、これを尊重しなければならない。

これらがセットであり、「産業医は、事業者に対して必要な勧告ができる」→「事業者は、その勧告を受けたときはこれを尊重しなければならない」という関係にあることが分かると思われます。

よって、産業医が「この社員、病気で休む必要があると思います」と判断し、事業者に対し「意見書」という形で勧告した場合、事業者は基本的にはその意見を尊重する必要があるわけです。

ただ、産業医としてその意見書を根拠もなくやたらに乱発することは、会社だけでなく社員にとっても迷惑でしかないでしょう。やはり意見書で勧告するには根拠が必要であり、さらには主治医の意見というものもそこでは聞く必要があると思われます。

昨今、「企業側と結託し、不当な解雇に手を貸す”ブラック産業医”」(社員から「ブラック産業医」と批判されないために必要な3つのポイント)などがいるとも言われ、話題になりました。そのようなことがないよう、やはり企業側、社員側双方に肩入れするのではなく、産業医として公平・中立に判断を下す必要があると思われます。

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