「退職しようと思っています」という社員さんと面談をしている時に、「辞めて、次に何かやりたいことがおありなんですか?」と質問をすると、すぐにその答えが返ってくる人と、「うーん…ちょっと疲れたので、しばらくゆっくりしたいですね」と明確な答えのない方がおられます。
もちろん、後者の場合は「同業他社に行くつもりです」とは言えないため、はぐらかしている可能性もありますが、実際に「辞めてゆっくりしたい」が本心の方もおられると思います。
ですが、「特に次にやりたいことも決まっておらず、ひとまず辞めたい」という方ですと、後悔しやすいのではないか、と思ってしまいます。
「とにかく辞めたい」の危険性
私自身、産業医に転職する前、後期研修医として働いている時に「とにかく辞めて、ラクになりたい」と毎日のように思っていました。ただ、「辞めるだけじゃしょうがない」ということは分かっていたため、転職先を探すことにしました。
といっても、その時は産業医になることは考えておらず、「とにかく当直やオンコールがなく、時間外に電話もかかってこない、呼び出しもないようなところ」という消去法で転職先を探しました。
結果、内定をもらえたわけですが、医長に退職の話をしたところ、簡単に言い負かされてしまって内定辞退をすることになりました。なぜそんなに翻意することになったのかと言えば、やはりその転職を自分自身も望んでいたわけでもなく、そこへ将来への不安を抱いていることを見透かされて説得されたという形です。

「やりたいこと」があるのはやはり強い
かくして、転職することを諦めたわけですが、当然のことながら職場での居心地はさらに悪化しました。医長には、退職を考えていることがバレてしまっているわけですし、当たりも悪くはなっても、良くなるわけがないといったところです。
そこで、転職を考えるわけですが、あらためて「自分は何がやりたいんだろう?」と考え始めることになりました。消去法的な転職では、やはり上手くいかないことがわかり、結局は正攻法と言いますか、「やりたいことを探して転職しよう」と思ったわけです。

こうした、「次にやってみようと思ったこと/やってみたいこと」があると、転職はしやすいですし、後悔もしづらいのではないかと、私の経験上は思った次第です。
ただ、なかなか転職で「次に何をやりたいのか」ということを自分で考えるのは難しいものです。そこで、誰かに相談をしていると、その中で考え方が整理されるというところはやはりあるので、大事なことだと思います。
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