「どの職場でも働ける医師」ではない私、だからこその生存戦略

どの職場でも上手く立ち回り、人間関係も良好に築いていける。そういう医師こそが理想的であり、医師としてふさわしい姿なのだということは、重々承知しています。しかし私は、そうした人間とは真逆のタイプです。働ける環境が極めて限定されているという自覚が、これまでの経験を通じてはっきりとあります。

空気を読むことが苦手で、場に応じた気の利いた言葉もなかなか出てきません。人間関係を構築することにも難しさを感じますし、ハードワークに耐える体力や精神力も、人並みにあるとは言えません。さらに、得意な仕事と苦手な仕事の差が激しく、業務の内容次第でパフォーマンスが大きく変わってしまうという問題もあります。

こうした特性を持っていると、職場環境が少し変わるだけで一気に状況が変わります。上司が代わる、業務の内容や量が変化する。多くの人にとっては「ちょっとした変化」であっても、私にとっては適応しきれずに追い詰められるきっかけになり得たりします。

「環境の変化」への弱さ

勤務医として働いていた頃、職場でともに働いていた先輩医師が次々と辞めていく時期がありました。何かと気にかけてくれていた先輩たちがいなくなり、業務の量と内容が変わり、人間関係の構図も変わった。その変化に適応できず、最終的には私自身も辞めることになりました。

このような経験をすると、「環境の安定」がいかに自分にとって重要かということを痛感します。今の職場でなんとか働けているのは、自分の努力だけでなく、その環境がたまたま自分に合っているという側面が大きかったりします。

環境が変われば、それが崩れる可能性もあったりします。そして、環境の変化が起こった時に、それに上手く適応できればいいわけですが、それができないのが私自身の困ったところでもあるわけです。

「このままでいけるか」の見極め

「どの職場でも働ける医師」ではない私にとって、もっとも重要なのは現状の見極めです。今の職場でなんとか続けられているのか、あるいは「このままでは厳しいかもしれない」という兆候が出てきているのか。この判断をできるだけ早いタイミングで正確に行うことが、自分のキャリアを守る上での核心だと思っています。

変化に適応することが大事なのは当然です。ただ、自分の特性として適応に限界があると分かっている場合、無理をして踏みとどまることが必ずしも正解とは言えなかったりするわけです。私の場合、すぐさま睡眠に影響が出て眠れなくなり、常にイライラしていて、体調を崩しやすくなる…そんな兆候が現れ始めてきます。

そんな時、限界を迎える前に、「次の一手」を考え始めることの方が、現実的に重要な場合があるわけです。

「急に限界が来る」最悪なパターン

これまでの経験を振り返ると、最悪だったのは、急に限界がきて何の準備もなく辞めざるを得ないという状況に追い込まれることでした。精神的にも余裕がなくなった状態で転職活動を進めようとしても、判断力が落ちていて、焦りから条件を十分に吟味できないまま次の職場を決めてしまうリスクがあります。

だからこそ、今の職場でまだ働けている段階から、次の選択肢に向けた準備を少しずつ進めておくことが重要だと考えています。「転職することを決めた」という段階ではなく、「もしかしたらそうなるかもしれない」という段階から、職場を変える準備をしておくことで、いざという時に役立つのではないか、と思うわけです。

「どの職場でも働ける」わけではないから

どの職場でも器用に立ち回れる人であれば、問題が起きてから対処することができます。しかし、環境の変化に弱く、適応できる場所が限られている自分のような医師にとっては、問題が起きてからでは遅いというのが正直なところです。

常に少し先を見越して、「今の状況が変わった場合に次はどうするか」を考えておく。それが、私なりの生存戦略です。自分の特性を認めた上で、それに合わせたペースで動いていくことが、長い人生で働き続ける上での現実的な方法だと感じています。

今の職場に不安を感じ始めている方や、環境の変化に敏感なタイプの方は、まだ余裕のあるうちに転職エージェントに相談しておくといったことをするのをおすすめしたいと思っています。リクルートドクターズキャリア[PR]では、産業医をはじめとした医師向けの求人を幅広く取り扱っており、「まだ転職するかどうか決めていない」という段階からでも相談に対応してもらえます。まず相談から始めてみてはいかがでしょうか。

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