若手医師が転職活動の時にやってしまいがちな3つの過ち【医師の転職】

産業医として、メンタル不調の社員さんと面談をしていますと、「私なんて…」といった言葉をよく聞きます。自己評価が非常に低く、「私なんかダメなんです…どこにいったって、きっと上手くいきっこない」といったネガティブな発言をする傾向にあります。

特に、若手社員ではそうしたことを言いがちです。その言葉を聞いておりますと、私がかつて後期研修医をドロップアウトして、転職活動をしていた時のことを思い出します。

産業医未経験で、その上、医師の経験年数も10年未満。おまけに専門医資格もないといったことで、「こんな状態で転職なんてできるの?」と思ったものです。

過ち1 自己評価を「最低」にしてしまう

自己評価をまさに「最低」にしてしまい、「自分なんか何をやってもダメ。どこに行ったって上手くいかない」といった考えに縛られてしまうのは、本当に転職活動においてマイナスでしかありません。

「できること」は何かしら、誰にでもあるはずですので、できないことよりも、そうしたできることにぜひ目を向けてみましょう。いわゆる転職活動における「棚卸し」と言われることですが、こうした「できること、得意なこと」を考え、自分の強みとは何か、と整理しておくことは非常に大切です。

「そんなこと言ったって…何も思いつかないよ」と思われるかもしれません。そうでしたら、「今までやってきた仕事」自体を振り返ってみましょう。専攻医であったとしても、救急対応や外来診療を任されたりするのではないでしょうか。それだって立派に「できること」です。

それも難しかったら、「好きな仕事で、比較的得意に感じることは何か?」と自分に問いかけてみるのでもいいと思います。こうしたことをすることで、「何もできない…」という思いからは脱却できると思います。

実際、私は非常勤バイトの履歴書を書く中で「あ、そうか。外来でそこそこの患者さんを診療してたんだな」「結構、大変な入院患者さんを診療してたんだな」と思えて、少し自信を持つことができました。

過ち2 「希望なき」妥協に妥協を重ねた転職活動

自己評価が低い状態で転職活動を始めますと、「とりあえず当直やオンコールはやりたくない…」「年収は今ぐらい、もしくはちょっと下でもいい…」といった、なんとも投げやりな希望条件で転職活動を始めてしまいます。

妥協に妥協を重ねて、「まぁ、今のところを離れられればいい」と思って転職をしてしまいますと、当然のことながら失敗する可能性は格段に上がってしまいます。

転職活動では、「何を目的とした転職なのか」「希望条件はどのようなものか」といった軸がありませんと、目も当てられない結果になってしまいます。何を自分はしたいのか、どのように働きたいのか。そして、どのような条件は外せないのか。

一度、ぜひ「自分なんか…」とは思わず、その前提でどのような目的、希望を持っているのかをぜひ自分に自分に問いかけてみましょう。

過ち3 「需要」をガン無視

私はキャリアエージェントに相談をして求人を紹介してもらった時、「え?こんな条件の求人があって、自分はそこに応募できるの?」と思いました。

この点、やはり過ち1のような「自己評価の低さ」に起因するところですが、「こんな私に求人なんかあるわけない。あるとしても、とんでもないところだろ」と思い込んでしまうため、「あ、世の中には色んな需要があって、こうして色んな求人があるんだ」ということに目を向けられないという傾向にあります。

つまり、「需要」をガン無視してしまっている状態にあるわけです。この点、ぜひリクルートドクターズキャリア[PR]などのキャリアエージェントに早めに相談してみると、「そうか、いつでも転職しようと思えば、できるんだ」と思えると思います。

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