某医師サイトで、当直「年間235回」という医師のことが紹介されていました。私にとっては「え?信じられない…」という数字ですが、年間200日超えの医師は他にもいるという事実に驚かされました。
当直200日/年 ということは、単純計算で月17回ということになるわけで、2日に1回は当直ということでしょうか。いやはや、信じられませんね。
まぁ、3次救急の民間病院でそのペースというのはちょっと考えづらいですが、それでも年間200日超えの当直を続けられるのは凄まじいの一言です。
一方で、その記事の中でですが、私としては「ああ、なるほどな」と思うこともありました。そのことについて今回は書いてみたいと思います。
当直に「耐えられない人」
猛者たちは、「好きなアメニティや飲み物を持ち込む」「筋トレ・ストレッチに励む」「爆食い」「コンビニでたくさんお菓子やラーメンなどを買って食べまくる」など、ストレス軽減を図りつつ当直時間を過ごしておられるようです。
一方で、「どうしてもうまくストレスが発散できず、当直免除で転職」したという方もおられます。「当直なんて、なんのその」といった意見の中で、このように「当直しんどい、もう無理…」という方もいらっしゃるようです。
私も以前は、ホテルでの宿泊ですら「自宅と違う」ことでなかなか寝付けないタイプでしたので、「スポットバイトで色んな病院を渡り歩いて当直」できるドクターは本当に凄いと思います。
「寝ているところを起こされる」ことが非常にストレスであったり、「いつ起こされるか分からない」という中で浅い睡眠になることなど、当直の大変さは皆さん感じておられるようですが、そのストレスの大きさ・感受性については人それぞれだな、という印象です。
当直3回/月でも無理だった私
私は後期研修医時代、月3回ペースの当直がありました。3次救急の病院であり、翌日にはヘロヘロになっていて、当直前日から明らかに鬱々とした気分となっていました。
結果、不眠症状が次第に現れるようになり、「眠れない、深夜まで起きている、翌日遅刻する…」なんてこともありました。
抗がん剤治療を行う時間になっても私が現れないので、看護師さんが電話をかけてきてようやく目を覚ました、なんてこともありました。
初期研修医時代、同期のドクターたちの中にも、嬉々として当直して稼いでいた人がいて、「こんなに当直が苦手なのって、私だけなのかな…」とも思ったものですが、最近、当直についてのアンケートを読んでおりますと、「苦手」という方は一定数おられることに気づきました。
当直中に気が休まらない(気持ちのオン・オフが苦手)、元々眠りが浅くて仮眠をとるのが苦手、「電話がかかってくるかも」と待っていることに強いストレスを感じる…などなど、元々の特性で「当直が苦手」という印象です。
「当直をしない」という働き方
当直を行うのは、いわば勤務医の「義務」のようなところがあるとは思いますが、「当直がひどく苦手」という方も中にはおられます。
「当直苦手なので、給料を下げてでもいいから免除してもらえませんか?」あるいは「もう年齢的に当直がしんどい。免除して欲しい」という方もおられると思います。ですが、「他の医者もやっている以上、特別扱いはできない」と言われてしまったり、あるいは免除したとしても、「なんでアイツだけ…」と後ろ指をさされる可能性もあると思われます。
ただ、それも病院によって「当直免除可」というところもありますし、「外来・病棟管理のみ」という求人もありますし、あるいは「外来のみ」で病棟管理すら免除という働き方もあります。
この点、「今の病院で当直から逃れることができない」ということでしたら、当直免除となる働き方を求めて転職をするという選択肢はないのではないでしょうか。もちろん、転職は迷いや躊躇が生じるかとは思いますが、苦手な当直を我慢してストレスを溜め続けるよりは良いのではないかと、産業医に転職して当直がなくなった私は思います。
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