私の義弟は産婦人科医なのですが、正月も早々に勤務があり、月の当直回数も聞いて驚いてしまうほどです。残業も非常に多く、それを聞くだけでも本当に頭が下がる思いになったりします。
同期の多忙な医師の話を聞いても同様で、バリバリと臨床しつつ研究も続けているといった話も聞きます。大学病院で順調にキャリアを重ね、役職についているといったことも聞いたりすると、「頑張ってるんだなぁ」とも思うわけです。
その一方、私としては早々に臨床医としてのキャリアは諦め、産業医として勤務を続けています。私としてはこの道を選んだことを正解だったな、と思うわけですが、その転職当時を振り返ると、かなり抵抗感はありました。
今回の記事では、なぜ医師が「当直ができない」「時間外の電話や呼び出しに対応できない」といったことを前提に転職を考えられないのか、といったことについて書いてみたいと思います。
比較せずにはいられない
同期や初期研修の時期をともに過ごしたドクターたちと自分というのを、どうしても比較してしまうということに、その原因の一端はあると思います。
順調にキャリアを積み重ねる同期たちの姿を横目で見つつ、「自分は自分」とはなかなか思えないと思います。つまりは、「比較してしまうが故に、自分の希望するキャリアを歩めない」という部分はあるのではないでしょうか。特に専攻医~専門医取得直後の若手であれば、その傾向は強いように思います。
「我慢強さ」の功罪
私は早々に後期研修時代に臨床から離脱してしまいましたが、他のドクターで勤務医であることに違和感やストレスを抱えていながら、「我慢している」方もいらっしゃると思います。
やはり医師になるぐらいですから皆さん、我慢強さやストレス耐性は人並み以上にあるようで、早々に転職するといったことはせずに耐え忍ぶことを選ぶという傾向もあるのではないでしょうか。
そのことを悪いとは言いませんが、自分らしく転職をすることにブレーキをかけてしまっていることにはなると思います。その結果メンタル不調などを起こさないと良いのですが…
キャリアについて深く考えていない、調べていない
初期研修を終えて、専攻医(後期研修医)となり、専門医を取得して勤務医で管理職になるか開業医になるか…などというお決まりのコース以外に、キャリアについて深く考えたり調べていないということにも原因はあると思います。
つまりは、それ以外のキャリア(産業医など)に目を向けてもいないため、コースを外れた転職などについて「ドロップアウトした」などと思ってしまう傾向にあるように思います。それはつまり「知らないから怖い」「知らないから卑下する」といったことではないでしょうか。
実際、私も産業医への転職を考えた時に、ようやく産業医について調べだしたといった体たらくです。
「耐え忍ぶ」ことは美徳なのか?
当直回数が多く、残業時間も多い…といったハードワークでも、活き活きとしておられるドクターもいらっしゃいます。その一方で、当直や時間外呼び出しに参ってしまい、不眠症状に悩まされていた私のような人もいると思います。
それを一言で「個人差だからしょうがない」とは言いませんが、やはり「人それぞれ違いはある」とは思います。冒頭の話に立ち戻りますが、私が義弟のようなハードワークをすることになったら、身が持たないのは目に見えています。
私自身、産業医になってよかったな、そして産業医として様々な社員さんと接しているからこそ思うのですが、やはり人それぞれ向いている職場、仕事があると思います。イヤなことに耐えることはどの職場でもある程度必要ですが、我慢し続けるのはやはりよろしくないと思います。
「当直・オンコールなし」「時間外の呼び出しなし」といった希望条件で転職をしたっていいと思います。もし現在の職場で耐え忍んでいるということでしたら、自分らしい条件での転職を考えてみませんか?
もしお悩みということでしたら、まずはリクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアに登録し、キャリアエージェントに相談をしてみましょう。ドクター側は無料で転職支援を受けることができますので、ぜひ希望条件について話をしてみてください。