体調が悪くもないのに若手社員が「たびたび欠勤」してしまっていた理由

20代後半の若手社員が「体調不良を理由にたびたび欠勤している」と上司から相談を受けました。それでその若手社員Aさんと面談をすることになったのですが、「最近、体調はいかがですか?」「別に問題ないっすね」と言われてしまいました。

「(あれ?話と違うな)」と思いつつ、「そうですか。最近、たびたび欠勤してると聞きましたが、どういったことで?」とさらに質問したところ、「ああ、それは単なる言い訳で」とのこと。

もちろん、「風邪気味で…」という理由で欠勤するのは常套句的なところがありますが(まぁ、昨今はコロナを疑われて使いづらいですけども)、Aさんは「頭痛で…」などと言って休んでいたそうです。

さて、Aさんが休んでいた理由はどんなところにあったんでしょうか?

「自分はいてもいなくても変わらない」と感じてしまう仕事

Aさん、実は以前に勤務していた部署が合わないということで、異動して現在の部署に在籍しています。そこで、業務はあるわけですが、「手が空いているから」という理由で割り振られるものばかりだったそうです。

つまりは、「この仕事は自分で責任を持ち、いつまでにやらなければならないという期日がない」という仕事ばかりだったそうです。その結果、「いてもいなくても変わらない」という気持ちになってしまい、「行きたくなければ行かない」とたびたび欠勤していたそうです。

出勤する前の時点で、「あの仕事をやらなきゃ」といったことがなく、出勤してから「この仕事やっておいてね」ということが多かったようです。

上司に面談内容を共有

面談の結果、その理由が分かったため、上司に「これこれこういう理由で、仕事に責任感を感じづらく、自分はいてもいなくても同じだと感じてしまっていたようです」とお伝えして、業務内容の変更を提案しました。

その結果、「この業務は、Aさんが完遂する責任のある仕事」というものが用意されるようになり、今のところたびたび欠勤することはなくなった模様です。

仕事への「やりがい」の正体

もちろん、仕事への「やりがい」がすべて「仕事自体に責任感を持つこと」とは言いませんが、やはりある程度の責任感がないと、やりがいは感じづらいのではないかと思います。

「この仕事は君に任せた」と言われて仕事をするのと、責任の所在が分からない仕事がなんとなくあり、「はい、この仕事やっといて。終わったら次があるから」と言われて仕事をするのでは、やはり張り合いは大分違うのではないか、と思われます。

この点、研修医の時に「患者さんを任せられる」感覚があった科では、自分から勉強したり動いたりしていたなぁと思いますし、「この仕事やっといて」と雑務を漫然とやる科ではそうではなかったなぁと思い出しました。

もちろん、責任を過大に持たせすぎるのはハラスメントに当たりますが、特に若手にとって「仕事への責任感」というのはやりがいを持つこととかなり関係しているなぁと改めて思った次第です。

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