医師がメンタル不調をきっかけとして、転職活動をする場合に注意すべき3つのポイント

産業医をしていますと、仕事のストレスにより心身ボロボロになった状態で面談に来る社員さんを数多く目にします。また、私自身も後期研修をドロップアウトする直前は、不眠症状や抑うつ症状でそれに近い状態だったのかな、と思っております。

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「今の辛い状態から抜け出したい…」という、その一心で転職活動をしていたことを振り返って、産業医の立場から過去の自分へアドバイスするとしたら、どんな言葉をかけるのかと考えていました。

今回の記事では、そんな医師がメンタル不調をきっかけとして、転職活動をする場合に注意すべき3つのポイントについて書いてみたいと思います。

なお、大前提として、メンタル不調がかなり重い状態では退職・転職といった大きな決断は避けるべきです。ただ、「そうも言ってられない。生活のため、転職活動をしなきゃいけない」ということもあると思います。そのような時、どうすべきかという視点でご参考にしていただけますと幸いです。

自信喪失・自分の過小評価に注意

今の仕事が上手くいってませんと、どうしても「自分なんか、どうせどこに行ったって上手くいかないんだ…」「あれもできない、これもできない…」という自信を失ってしまう思考に陥りがちです。

結果、自分自身についての過小評価をしてしまう傾向にあります。そうなりますと、極端に業務負荷の低い仕事や希望条件とは程遠い求人を選んでしまう可能性があるわけです。転職してから「失敗したな…」と後悔することにもなりかねません。

「今はメンタル不調でパフォーマンスを上手く発揮できないだけで、改善したらこのぐらいの仕事はきっとできるはず」ということは念頭に起きつつ転職活動を行う必要があると思います。

逆に、今までと同じようなハードワークを行うことを前提として転職活動を行うのも危険ですので、そのこともご注意下さい。

「同じ轍を踏む」ことを避けるために

今の職場で、どうしてメンタル不調に陥ったのかということは、しっかりと分析をして「同じ轍を踏む」ことは避けることを心がけることも重要です。

大事なのは、「反省ではなく分析」です。反省をしてしまいますと、ついつい自分を責めてしまうことになってしまいます。冷静に、客観的に今の職場で置かれている自分を見つめ、どうしたら同じことが起きないようにできるのか考えてみましょう。

私の場合、「当直・オンコール・時間外呼び出しが続いて大変な状況だったのを上司に相談できなかったこと」「先輩たちが立て続けに辞めてしまい、一気に業務負荷が上がって対処できなかったこと」などが原因だったように思います。

結局は上司に報告・連絡・相談できなかった、コミュニケーションが上手くとれていなかったことが主な原因であったと考えられますので、次ではこれらをしっかりと行う、それと同時に業務負荷が高くなりすぎない求人を選ぶことなどが解決策に当たるのかな、と今では思います。

「キャリアプラン」を見直すことも大事

私は後期研修医時代、「専門医資格を取得して、さっさと勤務医を辞めて開業する」ということばかりを考えていました。

それはつまり、「開業医になりたい」ということよりも、「勤務医を辞めたい」ということに過ぎませんでした。結局のところは、「臨床医を続ける」ということが難しく、産業医になるという選択をしたわけです。

「メンタル不調になったから」ということが全てというわけではありませんが、ストレスを大きく溜め込んでいる原因の一つとして、もしかしたら「今のキャリアプランが自分に合ってないのではないか」ということを見直すことはしてみた方がいいのかもしれません。

ただ、「自分のキャリアをどうすべきか」ということは答えを出すのは難しく、メンタル不調の状態ですとさらに困難であると思います。そんな時、誰かに話す・相談するということをしますと、思わぬことに気づくことがあります。

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