産業医になるなら「初期研修直後よりは専攻医の途中」でなった方が良いと思う3つの理由

私は後期研修(現在では専攻医ですね)の途中、「臨床医はもう無理…」とドロップアウトする形で勤務していた病院を辞めています。その後、数ヶ月のドロッポ医生活を経て産業医になっています。

一方、中には「初期研修を終えたらすぐに産業医になりたい」という方もおり、「それは可能ですか?」とご質問をいただくこともあります。しかし、私としては「一度は専攻医になってみて、そこから産業医になるかどうかを考えた方がよろしいのではないでしょうか」と思うわけです。

今回の記事では、「産業医になるなら初期研修直後よりは専攻医の途中でなった方が良いと思う理由」について書いてみたいと思います。

年齢制限・医師経験年数の壁

企業によって、産業医の採用条件は異なりますが、中には「年齢35歳以上」「医師経験年数10年以上」といった条件をもうけているところがあります。

やはり企業の本音としては、「それなりに経験のある産業医がいい」と思っているようです。それはやはり、産業医として「即戦力」として働いてもらいたいという理由があるからでしょう。その点、「初期研修を終えたばかりの医師」を積極的に採用しようというところは少ないように思います(中には、NTTなど産業医の教育体制のしっかり整った企業もあり、そうしたところは話は別かもしれません)。

ですので、一度は専攻医になってみて、経験を積んだ上で産業医になることをオススメしたいと思います。その経験は、産業医になってからも決して無駄にはならないと思いますよ。

バイトの選択の幅の問題

初期研修を終えたばかりですと、やはり「外来で診療を行う」ことにもまだまだ不安を感じていると思います。そうなりますと、外来の非常勤バイトなどを行うことができず、「バイトの選択の幅」がかなり狭まってしまいます。

産業医は基本、常勤産業医であっても1年更新の「嘱託契約」がほとんどだと思いますので、結構不安定です(来期から契約更新しない、と言われることもあります)。その点、「非常勤バイトを継続して行う」ことは生活を支える上でとても大事です。

また、産業医の年収はやはり残業・当直がない分、勤務医に比べると低めになります。そこをバイトで補うという意味もあります。

こうした点も「専攻医になって、ある程度の臨床経験を積んでバイトの幅を広げておく」ことは必要であり、専攻医になっておいて損はないと考える理由です。

就職活動が上手く行くとは限らない

初期研修中に内定がもらえ、「4月から産業医」と上手いこと話が進めばいいのですが、内定がもらえるかどうかは確定的ではなく、結構な狭き門だったりします。

ましてや未経験の産業医、加えて臨床経験もあまりないということになると、「内定がもらえずに4月突入」ということもありうるわけです。それならば、まずは専攻医になるという「保険」は確保しつつ、就職活動をしてみるというのは手であると思います。

ですので、「まずは専攻医になる」ことを念頭において動いておき、さらにもう一方で産業医としての就職活動を行ってみてはいかがでしょうか。

なお、求人紹介や応募・面接などのサポートについては、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアの転職エージェントに依頼することをオススメします。というのも、実際私が産業医としての転職を成功させたのは、この2社だけでした。

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