「非専門医」としての転職に役立つ産業医のキャリアの積み方について考えてみた

産業医にも、「産業衛生専門医」という資格があるわけで、当然のことながらその専門医資格を取得するというキャリアの積み方もあるでしょう。

一方で、私のように臨床の専門医資格は一つも取得できておらず、後期研修をドロップアウトしたような人間には、はなから「専門医資格が取得できる研修施設で研修に耐える」ということはできないわけです。

となりますと、そうした「専門医資格なしにキャリアをどう形成していくか」ということを考える必要になります。そこで今回の記事では、「非専門医」としての転職に役立つ産業医のキャリアの積み方について書いてみたいと思います。

労働衛生コンサルタント試験(保健衛生)の取得

資格で言いますと、労働衛生コンサルタント試験(保健衛生)があります。こちらを取得するメリットとしては、

・転職活動で有利になる:少なくとも書類選考には通りやすくなる。

・産業医として、それなりの知識・経験があると思ってもらえる。

・認定産業医資格のように、更新が不要。なおかつこの資格のみで、産業医としての要件を満たす。

ということでしょうか。少なくとも、取得しておいて損はありませんし、日本医師会の「産業医学講習会」、産業医科大学の「産業医学基本講座」を受講していれば、筆記試験の全科目が免除され、口頭試験のみになります。

口頭試験も、

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などの記事をご参考にしていただき、3ヶ月ほどしっかり勉強すれば合格できると思います。

有名大企業、製造業の企業に入職

やはり有名大企業ですと、転職での採用面接でも「あの企業にお勤めでしたか」といった反応になります。ネームバリューというのはやはりバカにはできず、それだけでキャリア形成としてはプラスに働くのは間違いないと思います。

また、製造業の企業ですと、しっかりと安全管理を行う必要があり、「そうした経験を積んでいる」ということもキャリアにとっては良いことだと思います。実際、製造業の企業では、「製造業の企業に勤務したことがある」ということを条件としているところもあります。

産業医としての勤務年数

産業医を専業としているドクターは、まだまだ希少ということもあり、「産業医としての経験あり」というだけでもキャリアとしてはプラスになります。

また、さらに言えば「産業医として働き続ける」こと自体がキャリア形成の一部とも言えると思います。ただ、「どの企業も3年以内に辞めて、転職を繰り返している」ということですと、何か問題があるのではと転職の際に勘ぐられる要因にもなりますので、できれば「一つの企業に3年以上」勤務していることが望ましいと思います。

以上です。
「非専門医」であっても、キャリアを積む、形成するということはある程度は可能であると思っていただけますと幸いです。

もしこれから産業医になろうとお考えでしたら、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアの転職エージェントにご相談いただき、希望条件に沿った求人を紹介していただいてはいかがでしょうか。

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