以前、私が勤務していた企業で産業医として働いていた方がつい最近、退職しました。私も3年ほど勤務していたことになりましたが、その産業医も3年で退職しています。
私の前任者も2~3年で退職しており、やはり「長く勤務できない企業」という印象です。実際、こうした企業にはいくつか特徴があり、今回はそのことについて書いてみたいと思います。
転職をお考えの産業医の方だけでなく、企業側も産業医が次々に辞めていきますと、再採用するにしてもコストがかかります。もしお悩みでしたら、ご参考にしていただければ幸いです。
報酬に対して産業医に求めるものが課題
反感を抱かれる覚悟で申し上げますが、企業側にとっては、「年収1千万円」はかなりの高額ですが、臨床医経験者からしますとさほど高額ではないというのが正直なところです。
実際、大企業の課長クラスでもそこまでもらってない方も多いですから、企業側にとっては「大金を払ってやっている」と思っている一方、産業医側からすると「高額というわけではない」という印象かもしれません。
こうしたギャップから、企業側があまりに産業医に求めるものが過大ですと、それは産業医からすると「割に合わない」ということになると思われます。「企業の安全衛生分野での課題・問題を積極的に指摘して、次々に解決してくれるスペシャリスト」ということで産業医を位置づけていたりしますと、産業医からすると息苦しさを感じることになる可能性があります。
求めるものが抽象的で難解、かつ裁量がほとんどない
上記にも通じる部分ですが、社員さんたちが自分たちもあまりよく認識・理解していないような課題を産業医に丸投げし、「上手いこと解決してください」と丸投げしたり、人事評価における目標とすることがあります。
また、「解決してください」と言いつつ、実際のところ産業医に裁量がほとんどなく、上手く物事が進まないこともあったりします。こうした「丸投げされ、かつ裁量のほとんどない、結果として上手く行かず、芳しくない評価を下される」という状況ですと、それは継続して勤務しようという産業医はあまりいないと思われます。
人間関係での問題
これはどの職場でもあることかもしれませんが、人間関係の問題が影響している可能性があります。
すでに入職している産業医に難があるケースや、いわゆるお局様タイプの保健師がいるケース、産業医の意見にあまり耳を貸さないタイプの人事労務担当者…などなど、勤務する上でストレスを感じることになる人間関係が存在している可能性があります。
実際、私が採用面接に伺った際、すでに入職している産業医が同席しているケースがありますが、「うわっ、ちょっと一緒に働くのは大変そう…」と思う方がいたこともあります。
以上です。
こうした「産業医が次々に辞めている企業かどうか」というのは、求人票だけではなかなか分からないものです。自分で応募、というよりは、
といった転職支援会社のキャリアエージェントに相談しおきますと、「実はよく求人が出ている企業で…」といったことや、少し踏み込んだところですと「ちょっと統括産業医の方がクセのある方で…」といったことを教えてもらえたりします。
もう地雷企業には入職したくない、ということでしたら、一度ご相談してみてはいかがでしょうか。