勤務医が開業するのは決して「安住の地」ではなくなってしまった現在

私も後期研修医時代、「専門医資格を取得して、さっさと開業する」ということを目標にしていました。それは開業したいという希望よりは、むしろ「勤務医を続けたくない」ということであり、いわば「逃げ込める場所」といったイメージで考えていました。

今になって思えば、決して開業することは楽ではありませんし、今後はさらにその傾向を強めていくことになるのではないでしょうか。

レセプト収入は減少傾向にあるでしょうし、このコロナ禍以降で患者さんを集めるのは大変でしょう。おまけにリフィル解禁…となれば、開業してからの方がむしろ気を揉むことが増えそうです。そもそも勤務先でも上手く立ち回れなかったのに、医師会と上手くやっていくなんてことは私はできなかったのではないでしょうか。

「ハードな勤務医を逃げ出して開業医に」ということが難しくなった今、「ゆるく長く働ける環境で勤務医を続ける」という選択の方が堅実なのではないでしょうか。働き方改革の名の下に、勤務医の給料は下がっていくことも十分考えられますので、その点は非常勤バイトを続けていくことも大事だと思います。

親が成功している開業医で、継承することが決まっているのならば話は別でしょうが、それ以外で「開業することだけを目指す一本槍でのキャリア」ばかりを追い求めていたりするというのはやはり危険だと思いますので、よほど強い開業志向がないということでしたら、まずは「働きやすい環境の転職先を探す」のもありだと思います。

もしそのような求人をお探しということでしたら、まずはリクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどの転職エージェントにご相談いただくと手っ取り早いと思います。

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