産業医の求人における「難易度の違い」を現役産業医が簡単に解説してみた

一口に「産業医の求人」と言っても、入職する際の「ポジション」は実は結構違います。そして、そのポジションによって難易度もまた異なってきます。

産業医の経験年数によっては、この難易度の違いは結構大切だったりします。未経験の方がいきなり難易度の高い求人に応募してしまいますと、それは大変な思いをしてしまうでしょう。

そこで今回は、「ポジション」の違いと仕事の難易度について語ってみたいと思います。

難易度★☆☆ 複数産業医がいる企業

専属産業医の設置義務としては、基本的には「従業員数1000名以上」に1人とされています(有害物質等を取り扱う事業場ですと、500名以上)。

また、従業員数3001名以上の企業ですと、産業医を2名選任する必要があります。よって、複数の産業医がいる企業となると、かなりの大企業ということになりますが、そうしたところですと、先輩産業医に相談できたり、あるいはマニュアルがしっかりとしている場合が多いため、困ってしまう場面も少ないかな、と思われます。

ですので、複数の産業医、ベテラン保健師がいるような企業は仕事の難易度はそれほど高くないと考えられ、産業医未経験の方にとっては働きやすいかなと思われます。

業務の難易度としては初級レベルとなりますが、他の産業医、保健師たちとうまくやってことは求められ、私はちょっと向いてません(笑)

難易度★★☆ 前任者がいる企業での一人産業医

産業医1人体制の企業ですが、「前任者がいる」場合は、「前の先生はこうしていました」「こんなフローでメンタル不調者、休職者の対応をしていました」といったことが決まっていることが多いです。

ただ、企業のトラブル・困り事などの相談、面談、健診判定業務なども一手に引き受ける必要があるので、ある程度の業務量はあると考えておいた方がよろしいかと思います。

業務の難易度としては中級レベルでしょうか。産業医を3年程度やっており、「一通りのことはこなせるし、分からないことも調べ方が分かる」レベルでしょうか。

難易度★★★ 専属産業医が新たに必要になった企業

従業員数が増えて、新たに専属産業医が必要になったような企業ですと、「一から業務をどう行っていくのか」という話し合いから必要になります。

当然、企業の側から「これどうしましょうか」「こうした場合、どうしていきましょうか」とアドバイスを求められることも多くなり、答えられる必要があります。

そのため、「先輩産業医、ベテラン保健師がいる」「すでにマニュアルがある」ようなケースよりは難しいと思います。

業務の難易度としては上級レベルです。産業医としてもベテランで、労働衛生コンサルタント試験に受かっているような方が基準となりそうですね。

以上です。
もちろん一概には言えませんが、求人票を見て上記のように考えると大体のあたりがつけられるのではないでしょうか。

ただ、それぞれの企業において「産業医への期待値」も違ったりしますので、ぜひそこらへんはリクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアに登録して求人紹介してもらう際に、転職エージェントから話を聞いておくとよろしいかと思います。

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