私は初期研修医の頃から「辞めたい…」と毎日のように思っていました。後期研修医になったらその状況も変わるかな、と思っていましたが、変わらずに結局はドロップアウトする結果となりました。
医師という仕事をしていて、少なからず患者さんやご家族に感謝されることもあり、やりがいを感じていなかったと言えば嘘になると思いますが、臨床医を続けるほどの理由にはなりえなかったようです。
ですが、その当時のことを産業医になった今振り返りますと、「もう少し思慮深く考えておけばよかったかな」と思うこともあります。そこで今回は、「医者を辞めたい、やりがいがない」と思った時に考えるべき3つのポイントについて書いてみたいと思います。
「辞めたい」理由を分析してみる
私が好きな言葉の一つに、デカルトの「困難は分割せよ」があります。物事は分割して考えてみると、打開の糸口が見えてくるのではないでしょうか。
私が臨床医を辞めたいと考えていた理由を分析してみますと、
・当直、オンコール、深夜の呼び出しがとにかく苦痛だった。
・救急対応の当番が金曜日で、重症の患者さんを週末に診療することが度重なっていた。
・時間外から始まり、延々と続くカンファレンスが週に3日あって苦痛だった。
といったことが大きなストレスとなっていたように思います。ですので、こうした要因をクリアした職場、就業条件で働くことができれば「臨床医を続ける」こともできたかもしれません。
ですので、一足飛びに「臨床医を辞める」という選択ではなく、就業条件の見直しをした上で転職するという選択もできたのかな、と思っております。
キャリアプランの見直し
私の場合、「専攻医となり、専門医資格を取得して、しばらく経験を積んで開業する」といったキャリアプランを漠然と考えていました。
しかしながらそれも「勤務医を続けるのは無理そうだから開業したい」という、なんとも浅はかな考えからそう思っていただけです。ただ、今や様々な医師としての働き方もありますし、一昔前の「医局に縛りつけられて働く」という時代でもなくなっています。
専門医資格に囚われた働き方をしなくてもいいでしょうし、自分に合ったキャリアプランを再度、見直すことで臨床医を続けるという選択肢がまた見えてくる可能性もあると思います。ですので、前提となっているキャリアプランを見直すことも、解決の糸口にはなるのではないでしょうか。
「臨床医以外」の働き方について考えてみる
「医者(臨床医)を辞めたい」と考えていて、実際に辞めたらどのような道があるのか、そしてそれは自分に合っているのかを具体的に考えてみましょう。
たとえば産業医という選択肢もあるでしょう。当サイトでは産業医になることについての情報を掲載しておりますが、
といった記事をお読みいただき、本当に産業医が自分に合っているのか、お考えいただいてみてはいかがでしょうか。「医者を辞めたい」ということと、「辞めて別の道を実際に歩みだしてみる」ことにはやはり大きな隔たりがあると思います。実際に行動へ移す前には、十分な情報収集をしておくべきではないでしょうか。
そこで実際、「産業医になろう」ということでしたら、まずはリクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアの転職エージェントに希望条件をお伝えの上、どのような求人があるか教えてもらってはいかがでしょうか。