医師になる前から、「私は○○科の医師になる」という決意の下、その科を選択するような人は別として、大多数の初期研修医の方々は、臨床研修やローテートで複数の科を見て周り、それから決定するという方ではないでしょうか。
勤務先・後期研修先などは、比較的変えやすいのですが、なかなか一度選んだ科を、すぐに変える、というのは難しいものです。キャリアを積み上げていくという視点から見ても、転科はできるだけ避けたいものです。
やはり、科を選択するということは、皆さん、慎重になると思います。その科選びについてですが、自分の向き/不向き以外にも、実は考慮してもらいたい点があります。それは、「科」ごとの求人数です。
医師が売り手市場であるということは変わらないと思いますが、実はそれほど求人数がない、というような科もあります。「医師不足」とは言われていても、求人数はそう多くはない、というようなことがあります。
求人のおよそ半分が内科系を占め、外科系は20%未満、他科が30%ほど、というような状況に現在はなっています。「内科では、引く手あまた」というようなケースでも、外科の求人は施設なども限られているため少なく、「希望の地域・年収での就職が難しい」というようなことがあったりするわけです。
また、皮膚科なども病院の雇い入れる医師数が少なかったりします。婦人科や小児科も、医師不足が叫ばれていますが、経営上の問題から、病院を集約化する動きがあり、実はそれほど求人数は多くありません(医師も需要・供給で収入が決まる「人口比の医師数、求人数の多い科など」)。
どこでもつぶしが利くのは、「やはり内科」という現状がありそうです。もちろん、求人ニーズばかりを考えろ、とは言いませんが、こうした求人数を視点として持っておくことも重要だと思われます。
具体的な求人数については、「エムスリーキャリア」や「リクルートドクターズキャリア[PR]」などで見ると、おおよその数が分かると思いますので、一度、ご覧になってはいかがでしょうか。