医師になってみたものの「臨床をとにかくやりたい」という熱意を持てない方へのアドバイス

本音を書けば、医学部に入学して6年過ごし、そこから医師にはなったものの「臨床をとにかくやりたい!」という希望や熱意はあまりなかったのが正直なところです。

卒業後に初期研修を開始すれば変わるかと思いきや、そこでも「臨床をやりたい!」とは思えませんでした。結局のところ、それは後期研修医になっても変わらず、常に「すぐにでも勤務医をやめたい…」と思っていました。

その当時の心境として、「専門医資格を取得して、開業医の立場になれば何か変わるのでは」という淡い期待があったのですが、今思えばきっと、開業したところで臨床をやり続けたいという熱意が生まれるわけもなく、さらにはもっと苦手な人間関係や経営に頭を悩ませることが目に見えていたのでは、と思います。

「臨床はやりたくない、かと言って今からサラリーマンになるのもなぁ…」という思いでずっと後期研修医時代を過ごしてきた身としては、同じように「医者やめたいなぁ…」と思っておられる後期研修医・専攻医の方々の気持ちは痛いほど分かります。

私の場合は、幸運にもたまたま産業医という仕事が見つかって、今もなんとなく働けていますが、そうでなかったらきっと、絶望的な気持ちのまま臨床医を続けていたのだと思います。

もちろん、みんながみんな「産業医をやれば万事解決」とは思いませんし、産業医も向き・不向きがある職業だと思います。ただ、何事もやってみなければ始まりませんし、若い内ならばリスタートは十分可能だと思います。

「内科から精神科」という転科も可能でしょうし、私のように「試しに産業医をやってみる」でもいいでしょう。合わずに「やっぱり臨床の方がまだいいや」ということだったら戻ればいいだけのはずです。

医系技官になることにチャレンジするのでもいいでしょうしね。あるいは「週3日勤務だけなら耐えられる」ということでしたら、そのような働き方を選択すればいいだけだと思います。

私としましては、可能性をはなから否定してしまい、「結局は辛く、苦しい業務に耐え続ける」ということはやめた方がいいと思っております。きっと「自分に合った働き方」はあるはずで、「どんな仕事が求められて、自分も楽しいと思えるのか」ということを改めて考えてみるのもいいと思います。

振り返ってみると、私は人当たりのよさだけはあると思いますので、初対面の患者さんや、ご家族にお話をしたりするのは得意でした。それが今、産業医として社員さんとの面談に役立っているのかな、とも思います。きっと日々の業務の中で「これは苦でもないし、得意かも」ということを見つけ、そこから転職を考えていくのもいいと思います。

もしそれで転職活動を、ということでしたら、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアにご登録の上、まずは転職エージェントにご相談されてはいかがでしょうか。

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