腹立ちまぎれの退職に待った!アンガーマネジメントの重要性

強制的な長時間労働や、当直・オンコール制、医療スタッフ・患者さんなど人との関わりが多い医師にとって、職場というのは、「怒り」を感じやすい場所ではないでしょうか。

イライラとしている最中、患者さんや患者さんのご家族、同僚、スタッフからのささいな一言で着火し、暴言を吐いてしまったり、ケンカになってしまう…そんな光景を目撃した方も、多いと思います。

そこで重要になるのが、「アンガー・マネジメント」です。直訳すれば、「怒りの管理」ということになりますが、突発的に怒って、周囲に当たり散らすといったことをせず、上手く感情をコントロールしましょう、ということですね。また、単に我慢するといったことではなく、上手な表現方法・対処方法を学ぶトレーニングによって、「アンガー・マネジメント」は修得されるようです。

実は、怒りというのは「第二次感情(セカンダリー・エモーション)」と言われています。人は、怒り自体をそのまま感じるのではなく、「第一次感情(プライマリー・エモーション)」を経て、怒りを感じるとのことです。

第一次感情としては、不安、ストレス、悲しみ、苦痛…などがあるようです。たとえば、体調が悪い時や、イライラしている時、空腹の時などであれば、普段では感じるはずのない、ちょっとしたことで怒りを感じるということも、あるはずです。

ストレスなど、第一次感情が”溜まって”きている状態で、その溜まった感情をそのまま溢れさせるのが怒りだとすれば、その第一次感情を周囲の人に上手く表現して伝えることで、発散することができるとのことです。

たとえば、当直明けで疲れている時、外来でのミスを看護師さんなどに指摘されて「当直明けで寝てないんだ、しょうがねぇだろ!細かいこと、いちいち言ってくんな!」などと逆ギレするのではなく、「当直明けで疲れてます。普段よりミスが多いかもしれないので、フォローよろしく」などと、怒りではなく、自分の一次感情を伝えようとするだけでも、表現は違ってくるはずです。

腹立ちまぎれに、今の職場を居づらい環境にしてしまうのではなく、アンガーマネジメントを上手く利用し、無用な転職をしないようにすることも重要だと思います。

タイトルとURLをコピーしました