管理職の「うつ病からの復帰」で失敗するパターン【産業医マニュアル】

課長・部長などの管理職の方も、それは当然うつ病になることはあります。すんなりと復職されるケースもありますが、ただ、その一方でそうはいかないということもあり、結局のところ管理職を外されなんてこともあります。

一例ですが、部長の方でうつ病を発症されたという方がおられました。ストレス要因は上司からの叱責や仕事のプレッシャー、部下や同僚たちが次々に退職していったことでした。

そこで1ヶ月程度休職し、さて元部所でかつ元の役職のまま復帰ということになりましたが、結果としては病状の悪化、再休職に至りました。原因としては、上司にストレスを感じていたことや、部下がさらに退職するといったことなど、休職前と同様の要因が存在していたり、あとは以前と同様に働こうとして空回りしてしまったということが挙げられるとのことでした。

結局のところ、「休職前と同様の原因」をどれだけ取り除けるか、周囲がサポートできるかといったところにポイントがあるように思いますが、管理職である以上、部下がいる手前、「嫌な業務も避けて通れない」といった事情があったりするように思います。

他の事例としては、課長の方で、部長からのプレッシャーや、厄介な年上の部下からの突き上げというダブルパンチで休職し、復職後も同様の原因で再休職に至ったというケースもあります。

管理職である以上、ポストの空きがあったりしませんと、「異動して復帰」といったことがしづらいといった背景もあり、元部署で復帰ということなりましたが、こちらも不幸にも再休職という顛末となってしまいました。

産業医としましては、ストレス要因などははっきりとしているにも関わらず、ポストの問題などもあってなかなか介入するにもしづらいところがあり、歯がゆい思いをしておりました。管理職の復帰支援はやはり、就業制限などでは太刀打ちできないことも多く、頭を悩ませる問題でもあります。

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