常勤産業医として、新たな業種の会社に入職しますと、社員との面談の中で出てくる「業務の話」がまるっきりチンプンカンプンなことがよくあると思います。
私が一社目に産業医として入った会社は自動車関連の部品を製造する会社でしたが、元々、車にあまり興味がないのもあって、本当に「何が何やら…」という感じで社員さんと話をしていました。
ですが、聞いたことのない専門用語が出てきた時に、「それって何ですか?」とは聞けませんでした。年上の社員さんたちを相手に話をしていて、「こんなこと質問したら、バカにされるんじゃないか…」と思ってしまっていたからです。
結局、退職するまであまりその会社、業種について把握できずじまいだったように思います。ですが、2社目に金融系の会社に入職したところ、私より20歳ほど年上だった先輩産業医が社員さんたちに「それって何ですか?」とバンバン質問していました。
ですが、逆にバカにされるどころか、そこを糸口に会話を弾ませることができているのを見て、コミュニケーションを図る上でも重要ですし、また「この先生は私達の仕事のことを理解しようとしてくれているんだ」と好意的に思われている様子でしたので、「むしろ知ったかぶりより、質問をして分からないことは分からないと言うべきなんだ」と思った次第です。
そこからは、私も面談の場で分からない用語が出てきたり、疑問に思ったことは質問するようにしています。実際、そのことでその会社のことや業種のことが知ることができて、別の社員さんと話をする上でとても役立ちます。
そもそも産業医はその会社の仕事や、業種などについて始めから知っているというのは稀なのではないでしょうか。以前に同じ業種の、似たような企業を担当したことがあるなら話は別ですが、なかなかそのようなことはないのではないと思います。
ですので、決して知ったかぶりはせずに、「分からないことは分からない」というスタンスで、「不勉強で申し訳ありませんが、それってなんですか?」と言える勇気を持つべきなのではないか、と思います。
また、逆に言いますと、産業医をやっておりますと、このように企業を通じて社会の様々な働き方、仕事について知ることができます。
入職する上で「まるっきりその会社のことを知らないと不安…」ということであれば、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどの転職エージェントに相談していれば面談前に情報を教えてくれますので、応募前にお問い合わせいただいてはいかがでしょうか。