私が後期研修医だった頃、不眠症状に悩まされていました。当直や深夜呼び出しがきっかけだったと思いますが、睡眠リズムが崩れ、さらには日々のストレスで拍車がかかってしまったように思います。
さらには、抑うつ症状も次第に酷くなっていき、医長の勧めで精神科の先生に診てもらうことになりました(通院はしませんでしたが)。おそらく、あの時に診断を受けていれば、なんらかのメンタル疾患の診断名がついていたのかな、と思います。
その後、私は転職活動を開始しながらも転職先が決まらず、勤務先を退職しました。しばらくはスポットバイトで食いつなぐ、いわゆる「ドロッポ医」(「ドロッポ医師」が誕生するまでの3ステップ-きっとあなたはまだ踏み止まれる)生活を送っていました。
今振り返ってみると、転職のことばかりしか考えていなかったように思いますが、産業医として過去の自分のことを考えてみると、
・病状が回復するまで休職できなかったか。
・しっかりと精神科や心療内科に通院した後、少なくとも不眠症状が改善するまで当直や深夜呼び出しの負荷軽減を図ってもらうべく、医長と相談できなかったか。
・医長に体調不良について、もう少し早く報告や相談すべきだった。
といったことを思います。結局は悩みを抱え、ろくに相談もできずに辞めてしまいましたが、もうすこし退職・転職前にやるべきことがあったのではないでしょうか。
要は、上司や病院側と相談し、就業条件の変更により勤務継続ができた可能性もあったはずです。また、病状悪化を放置せず、なんらかの医療的な対応を考えるべきだったとも思います。
ですので、「転職一択」の思考になってしまうべきではなく、もう少ししっかりと上司とコミュニケーションをとりつつ対応すべきだった、と思う次第です。
ただ、それで上手くいけばいいですが、上手くいかないケースもあると思います。その時には転職を考えるということを検討していけばよろしいのではないでしょうか。
ただ、あまりコンディションがいい状態ではありませんと、自分のことを過小評価してしまい、転職自体も上手くいかないこともあります。そんな時には、「リクルートドクターズキャリア[PR]」や、「エムスリーキャリア」といった転職支援会社の転職エージェントの相談しつつ転職活動を進めていくことをオススメします。