「パニック発作」とは、急に強い不安発作を起こした状態を指します。息苦しさや胸の圧迫感を感じて呼吸が激しくなり、めまい、ふらつき、動悸が起こったりします。患者さんの中には、「このまま死んでしまうのではないだろうか」と思う方もいらっしゃいます。
誰にもなりうる可能性はあり、あなたの家族や知人などがパニック発作を起こすこともあるかもしれません。その時、どのような対処を行うべきか、以下にまとめてみました。
1) まずは落ち着ける状況を
まず、パニック発作のような症状を起こした方がいた場合、できるだけ落ち着ける場所に移動させてあげましょう。公共の場所などでは、奇異な目で見られることもあり、そのことが余計患者さんに心理的負担をかけることもあります。
そのため、まずはあまり人目につかず、落ち着けるところに移動するよう促してあげましょう。
2) できるだけ不安や緊張を解いてあげましょう
「発作が起きても、問題ない。命を落とすことはない」などと声をかけてあげて、安心させてあげてください。少し落ち着いてきたら、当たり障りのない話題で、できるだけ不安や緊張を解いてあげましょう。
その時、介抱する側も慌ててしまったりするかもしれませんが、周囲が慌てると、発作が悪化することもあります。できるだけ心を落ち着かせて、対処するようにしましょう。
3) 呼吸が荒い場合の対処法
パニック発作の場合、過換気といって、呼吸が荒くなりやすいです。激しく呼吸を行う(=過換気)と、より苦しくなってしまいます。その苦しさに対する不安感も相まって、より症状は悪化してしまいます。
ドラマや映画などで紙袋で呼吸をしている人を観たことありませんか?アレは、自分の吐いた息の中の二酸化炭素を再び吸うことで、苦しさを和らげています。ですが、この方法は現在、あまり推奨されないと言われています。
そこで、呼吸が洗い場合の対処法としては、「鼻から息をゆっくりと吸い、口から細く長く、ゆっくりと吐き出す。これを、1分間に10回程度繰り返す」という呼吸法があります。
また、「なんでも良いので声を出し、早く呼吸してしまうことを防ぐ」といったものがあります。
4) 抗不安薬などを処方されていたら、内服
パニック障害の患者さんの場合、パニック発作を繰り返し、抗不安薬などを処方されていることがあります。その場合、内服させてあげて、発作を鎮めるといったことも有効です。
5) パニック発作を起こしたあとは
できるかぎり心療内科や精神科を受診しましょう。一度パニック発作を起こすと、また発作が起きるのではないかと不安(=予期不安)になったりすると、そこから発展していくこともあるので、注意が必要です。
治療としては、SSRI(抗うつ薬)や抗不安薬などを使った薬物療法、認知行動療法などがあり、医師と相談していただければと思います。