4月から初期研修開始、という先生方もおられると思いますが、「初期研修修了後、産業医になろうかな」と思っておられるなら、研修中にやっておくべきことを今回は書いてみたいと思います。
できることなら、専攻医になっておくことをオススメしたいところですが、「初期研修終わったら、すぐに産業医になりたいんだ」という方もおられるでしょう。そんな先生方が、いきなり産業医になっても困らないように、どのようなことをやっておいたらいいのか、という視点での記事になります。
精神科ローテート中、精神科外来を見学
精神科をローテートする場合、「精神科志望です!」ということでもないと、「テキトーに病棟の患者さん診ておいて」ということにもなりかねないかもしれません(実際、内科医の友人はそのような研修だったそうで)。
そこで、ぜひ精神科の外来をできるかぎり見学しておくことをオススメしたいと思います。私自身、初期研修中に外来を結構見学させていただいておりまして、問診をさせていただいていたこともありました。その頃の経験が、メンタル疾患を発症した患者さんの話を聞く際に役立っています。
できれば自分から申し出て、外来に同席させてもらう、そして可能ならば問診させてもらうとよろしいかと思われます。
内科でのローテートでは、「異常所見への次の対応」を意識
内科でのローテート中でしたら、たとえば「血圧が高い」「心電図で異常がみられる」「高脂血症、高血糖」といった異常所見があった場合、「次にどう動くか」を意識しておきましょう。
こうした健診異常は、産業医として「受診勧奨すべきかどうか」といったことを考える必要があります。精査すべき所見なのか、そしてどのような検査を次の手として打つべきなのか、そうしたところが分からないと、「とりあえず受診勧奨。あとは病院におまかせ」ということにもなりかねません。そうなると、丸投げされた医師の側とすれば、迷惑この上ありません。
産業医として「異常所見への次の対応」をどうすべきか、しっかりと考えて研修を行っていただければと思います。
様々な年代の患者さん、コメディカルと積極的にコミュニケーションを
産業医になりますと、保健師や人事労務担当者、面談にやってきた社員さんなど、様々な年代、様々な仕事をしている方々と話をすることになります。
そこで、こうした方々とコミュニケーションをとっていないでいきなり産業医になりますと、「上手く話せない…」ということにもなりかねません。この点、患者さん、コメディカルを相手に積極的にコミュニケーションを図っておりますと、トレーニングになると思います。
世間話でも、趣味の話でもなんでもいいです。実際、私も担当患者さんと色々話をしていたこともあり、産業医になってもあまり物怖じせずに年配の社員さんとも話をすることができたと思います。
以上です。
もし産業医に興味があり、初期研修後になろうとお考えでしたら、研修中に上記のことを少し頭の片隅に置いておいていただけると幸いです。また、産業医未経験ですと、なかなか求人に応募しても内定がいただけないということもあるかもしれません。そんな時は「リクルートドクターズキャリア[PR]」の転職エージェントにご相談いただくことをオススメしたいと思います。