「働き甲斐がない…」と感じている社員への対応【産業医マニュアル】

Aナーシングに「「私の仕事に意味あるの?」と感じたら」という記事が掲載されていました。

そもそも、仕事への負担感は、以下の9つに分類されるそうです。

1) 心理的な仕事の負担(量)
2) 心理的な仕事の負担(質)
3) 自覚的な身体的負担度
4) 職場の対人関係でのストレス
5) 職場環境によるストレス
6) 仕事のコントロール感のなさ
7) 技能の活用できなさ
8) 仕事の不適性感
9) 働き甲斐のなさ

この中に、「働き甲斐のなさ」というのも含まれるそうです。他の要因に比べ、直接的には分かりにくい内容ですが、具体的には

・仕事への誇り
・仲間との連帯感
・組織への貢献感
などが欠けていると、感じやすいようですね。

たとえば、「ずっと単純な入力作業ばかり…」(仕事への誇り)「誰にも感謝されている感じがしない、同僚との繋がりを感じられない…」(仲間との連帯感)「私の仕事って、会社に役立っているの?」(組織への貢献感)といったものがありますと、働き甲斐のなさを感じてしまいがちだということのようです。

そこでの解決策として、「想像力」が大事とのことです。要は、「自分の仕事が回り回って、ちゃんと役に立っている」ということを想像できるかどうか、そこにかかっているとのこと。

これを読んで私が思ったのは、あの伊丹十三監督の逸話を思い出しました。映画の食卓シーンで使うため、カレーを用意するように命じられたADがいて、このADが「俺は映画を作りたいんだ。なんでカレーなんか作らされるんだ」と思いつつ、不満げな顔でカレーを作っていたそうです。

伊丹十三監督はそのADを見かけ、「このカレーは、映画に必要なんだ。君はカレーを作っているんじゃない、映画を作っているんだ」と諭したそうです。まさしく「想像力」が大事だというエピソードですね。

ただ一方で、産業医としては、「社員にとって、ミスマッチな仕事の可能性はないか?」というのも気になるところです。別の部署なら満足して、力を十分に発揮できる可能性があるなら、異動も検討すべきではないかとも思いますね。

不平不満が多く、異動しても文句を言い続けている場合は諭すことも考えるべきかな、とは思いますが、複数の部署があって異動可能である場合は、人事に相談して、別の仕事をしてもらうことも手ではないでしょうか(上記の記事は、看護師さん向けの記事のため、異動を検討するといったことは考慮していないようですね)、と思った次第です。

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