医師が転職する際に上司から「アドバイス」という名の引き止めにあったら考えるべきこと

私も臨床医時代、「臨床医であり続けるべきか?」といったことを悩んでいました。このようなキャリアプランに悩んだ場合、果たして誰に相談すべきかといったことを考えると、意外と相談相手がいないと気付かされます。

というのも、失礼を承知で申し上げれば、上司たちを含め、誰も「転職」を経験したことがない人たちだったからです。医局による異動はあるものの、異動先で同様な待遇、同様の業務を継続してきた先生方ですので、たとえば「産業医になりたいんですけど…」と言っても、欲しいアドバイスが得られるかというと、疑問です。

実際、先輩医師がやめる際にも、医長は「雇われ院長で往診をやる?上手くいくはずない」「友人と共同経営でクリニックをやる?上手くいくはずない」と言っていましたが、先輩医師たちは活き活きと仕事をしているようです。

ですので、上司とはいえ、「転職」を前提としたキャリアプランについて相談できるかどうかと考えますと、必ずしもそうとは言えないのではないでしょうか。

もちろん、中には転職の経験があり、アドバイスに親身に乗ってくれる上司もいるかもしれませんが、基本的には「急に辞められたら困る」と、引き止めの方向で話をする方が多いようにも思われます。

実際のところ、転職はしてみないと分からないというのが正直なところだと思います。また、その成功/失敗についても、自分の満足度、充実感といったところだと思われますので、判断できるのは自分自身ではないでしょうか。

私自身、「リクルートドクターズキャリア[PR]」「エムスリーキャリア」さんに紹介していただき、産業医としての転職を3回していますが、その途中では「この転職、失敗したかな…」と思うこともありました。ですが、現在は産業医として働くことができてよかった、満足のいく環境で仕事できている、と思っています。

もし転職する際に上司から「アドバイス」という名の引き止めにあったら、周囲の意見に左右される前に、「なぜ転職しようと思ったんだっけ?」「今後、どういうことをやってみたいと思ったんだっけ?」「転職することのメリット、デメリットはなんだろうか?」といったことを改めて振り返り、お考えになってはいかがでしょうか。

また、転職についての意見を言っている人は、果たしてどんなキャリアを歩んできたのか、自分の転職・キャリアプランについてどの程度、的確なアドバイスをくれる人なのか、考えてみるのもよろしいかもしれません。

タイトルとURLをコピーしました