産業医が日々の仕事について、企業側から「フィードバックをもらう」ための工夫

産業医という立場ですと、雇っている企業側の社員は「一言物申す」ということがなかなかしづらいようです。結果、医師に対しての不満やクレームがあったとしても、「言いたいけど言えない」ということになるわけです。

ただ、そうした不満などが溜まって、もしくは「目に余る」ということになったりしますと、「言わざるを得ない」ということで人事部長などが「先生、申し上げにくいのですが…」と切り出すことになるかもしれません。

そうした注意なり警告があって、それでも改めてもらえないとなると、今度は「契約打ち切り」ということにもなりかねず、注意が必要です。

企業側の産業医への不満

企業側の不満としては、「報告・連絡・相談がおろそかで、何をやっているのか分からない」「本来は関係者に相談した上で決めるべき内容を、自分勝手に独断で決めてしまうため現場が混乱する」「やるべき仕事をやっていない、高い報酬に仕事が見合っていない」などがあると思われます。

産業医としては、「言いたいことがあるなら言って欲しい」と思うかもしれません。こうした不満を、伝えてもらえるのならば反省して次に活かすということもできるはずです。

しかしながら、先述の通り「相手が産業医」であるがゆえに、なかなか伝えることができないわけです。その点、産業医の側が反省点や改善点を伝えてもらえるように、つまりは「フィードバックを自分でもらいに行く」必要があるわけです。

フィードバックをもらうための工夫

一昔前でしたら、飲み会も多くて「先生ね…」と言ってもらえる可能性がありましたが、今はそうした飲み会自体がかなり減ってしまっていると思います(そもそも、産業医が飲み会に誘われにくいということもありますが)。

ですので、人事労務担当者に対して、積極的に自分からコミュニケーションをとろうとしていく姿勢が重要となります。しかしながら、ただ単に「フィードバックください」と言っても、それは「相手は産業医だしな…」となることが目に見えています。

そこで、なんらかの業務報告や相談をしたタイミングで、「この休職中の社員さんの対応について、分かりにくいことはありませんか?」「さっきの面談後の報告で、疑問に思っていることはありませんか?」「今後、この点についてはこのような方針で考えていますが、何かご意見ありませんか?」など、聞く姿勢を見せて「意見を求めたい」と伝えるのがよろしいかと思います。

もちろん、意見をしてもらった後は「承知致しました。ご意見、ありがとうございます」とお礼を言うのを忘れないようにしましょう。

こうしたことを繰り返していきますと、「ああ、この産業医は色々と意見しても大丈夫だ」と思ってもらえて、自然とフィードバックをしてもらえるようになると思います。

私の経験から

今でこそ、こうした「フィードバック」を大事にするようにしていましたが、一社目の時はなかなか上手くできず、結果、3年目を迎える前に「契約打ち切り」を通達されてしまいました。

ですが、そんな私も3社目でようやく産業医として働く上でのコツを少しずつ掴めてきました。ですので、産業医になって1社目で「やっぱり向かないのかな…上手くいかない」と思ってらっしゃったとしても、諦めずに自分にあった会社への転職を検討するのも一つの選択肢であると思います。

もし転職を、とお考えということでしたら、私も3度の転職でお世話になったリクルートドクターズキャリア[PR]の転職エージェントにご相談いただいてはいかがでしょうか。

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