「敷地内禁煙」が徹底されていない病院が抱える実は大きなリスク

禁煙治療が保険適用される医療機関としては、「敷地内禁煙」が条件となっています。これはもちろん、施設内だけでなく、責任の及ぶ範囲、たとえば駐車場もそうですし、「施設の裏に喫煙所がある」なんてのもダメです。

ですが、島根県済生会江津総合病院では今年2月、中国四国厚生局に病院敷地内での職員の喫煙を指摘され、施設基準に敷地内禁煙を含む診療報酬の返還を求められています。過去4年5ヶ月に遡って返還額が計算され、その総額はなんと約4,700万円。とんでもなく痛い代償となりましたね。

そもそも、周辺住民などから病院職員の禁煙に関する苦情を受けていたということですから、喫煙が常態化してしまっており、ついに来るべき時が来てしまった、ということのようです。

実際、全面禁煙としている徳島市にある県立中央病院で、昨年12月、敷地内で職員29人が喫煙したとして問題になっていました。結果、院長や副院長、医療局長ら12人に対して減給や戒告の懲戒処分がなされました。建物内ではなかったそうですが、廃棄物倉庫の裏で喫煙が行われていたそうです。

喫煙に対する目が厳しくなっている昨今、今後も「保険適応に関して施設内禁煙が条件」という要件が増えてくる可能性もあると思います。その時、「申請して診療報酬は受けていたが、実は禁煙してました」ということで巨額の返還を求められる可能性もあるわけです。

また、最近ではSNSの浸透により、悪評判が立ちやすい、広がりやすいということもあります。「禁煙のはずなのに、病院職員が喫煙してた」と写真付きで広がってしまう、なんてこともありうる話です。また、火の不始末で火災なんかが発生した場合、それこそ大きな問題となってしまいます。

「敷地内禁煙」を徹底し、そのことを就業規則に盛り込む、院長が率先して禁煙対策に取り組み、職員教育の徹底を行う、といったことが必要になってくるでしょうね。

タイトルとURLをコピーしました