吸収線量、カーマ、等価線量、実効線量のそれぞれの違い

吸収線量:放射線の照射によって、単位質量あたりの物質が吸収するエネルギー量のこと。単位はGy(グレイ)が用いられる。物質の種類を指定しないため、同じ種類の放射線の照射であっても、照射された物質によって与えられたエネルギーは異なる。医療の領域においては、「臓器吸収線量」などがよく用いられる。
 
カーマ:電荷を持たない放射線(ガンマ線、中性子線等)が、人体や物体に与える影響の指標となる量のこと。単位は、Gy(グレイ)が用いられる。
 
等価線量:放射線防護のための、人体の各臓器の被曝線量を表す線量概念のこと。単位は、Sv(シーベルト)が用いられる。「放射線を被曝した人体組織の臓器吸収線量」に「放射線加重係数」を乗じたものとして定義される。放射線加重係数は、国際放射線防護委員会の勧告が広く用いられている。
 
実効線量:放射線被曝による、個人の確率的影響(がん、遺伝的影響)のリスクの程度を表す線量概念のこと。各臓器の受けた放射線の等価線量に、その臓器の組織加重係数を乗じた値の総和量として定義される。単位としては、Sv(シーベルト)が用いられる。

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