私は3社に常勤産業医として入職しておりますが、そのいずれも「退職金なし」という企業でした。入職時の説明でも、退職金について「先生は関係ないですね」とスルーされたような記憶です。
というのも、常勤産業医と言えど、「1年ごとの契約更新がある嘱託契約」で雇われており、その場合は退職金を払う義務はないと思われます。私は、産業医求人をよく見ている方だと思いますが、それでも「退職金あり」という求人はお目にかかったことはありません。
嘱託の場合、退職金の有無というのは企業の制度に委ねられているわけで、「退職金なし」というのは別に違法でもなんでもありません。ですので、基本的に産業医として勤務する場合は、「退職金なし」と考えておいた方がよろしいかと思います。
一方、病院勤務ですと、恐らく「退職金あり」という施設が多いのではないでしょうか。私も臨床医時代はその制度があり、勤務年数もさほど長くありませんでしたが、貰ったように記憶しています。この点、やはり勤務医の方が老後の心配を軽減してくれる点ではあります。
さて、産業医として勤務し続けている場合、やはり「退職金がない」ということになりますと、老後の生活資金が気になるところです。貯蓄を日頃からする、というのも大事なことですね。
なお、日本医師会に加入しておられるということでしたら、「医師年金」に加入しておくというのも手であると思われます。退職金のように一度にドカッともらえるわけではありませんが、老後の生活資金を考える上で、検討する価値はあると思います。