産業医の採用面接で、在職中の産業医が同席するケースがあります。やはり「これから一緒に働く同僚」あるいは、統括産業医であれば「部下」が入ってくるわけなので、「産業医が同席する」ということは割によくあるのではないでしょうか。
ですが、「採用面接に先に入職している産業医が同席する」ということですと、少し私は身構えてしまいます。それは「トラウマ」のような一件があったためです。
そこで今回の記事では、「産業医が企業の採用面接に同席して困ってしまった実体験」について書いてみたいと思います。
変わった印象の産業医
その企業は、某求人紹介会社から紹介された企業の求人だったわけですが、そのキャリアエージェントから「言いづらいのですが…今、働かれている産業医の先生が、少し変わった方で…」と採用面接前に言われました。
しかしながら、やや変わったドクターというのは今まで接してきてましたので、「大丈夫ですよ」などと受け流していましたが、その警告をしっかりと受け止めて面接に臨めばよかったな、と後で後悔することになります。
いわゆる「クセの強い」産業医が在籍していて、そのために他の産業医がバタバタと辞めていってしまうというケースは実際にあったりします。
面接で分かった、「変わった産業医」の意味
まずは挨拶から始まり、和やかなムードで面接開始…と思いきや、その産業医は仏頂面でニコリともしません。何やら不機嫌そうな感じです。
今から思いますと、年齢はあちらの方が上ですが、また産業医としての経験年数もほぼ変わらなかったため、「かまして、マウントをとってやろう」とでも思ったのではないでしょうか。
企業の採用担当者であると、採用面接には慣れているケースが多いため、あまり突飛な質問は少なかったり、空気を読んでくれます。一方、その産業医は場にそぐわない変な質問をしてきました。
「趣味はなに?僕は、その人の趣味を聞けば、どんな人柄なのか分かるんだ」などと言い出す始末で、「はぁ…」と受け答えするしかありませんでした。
乱されるペース
前職でのことについて、なかなか答えづらいようなセンシティブなことまで突っ込んで聞いてきたり、プライバシーに関わる質問をしてきたりと、かなりペースを乱されてしまいました。
今なら、軽く受け流したり、いなしたりすることもできるでしょうが、まだ若かった頃の私では、対応しきれませんでした。結局、「入職しないでよかったな」と思えるところですが、そのような求人も中にはあります。
こうした「どんな産業医在籍しているのか」といったことについては、やはり求人へのエントリー前に知っておきたいところです。リクルートドクターズキャリア[PR]や、マイナビDOCTOR[PR]などの転職エージェントは、こうしたところの情報までしっかりと把握していることが多いので、求人紹介を受ける際には、こうした大手からご相談されることをおすすめしたいと思います。